登録/更新年月日:2007(平成19)年3月3日 |
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生涯学習の取り組みとして、その重要性がますます増大している地域課題の解決やまちづくり活動においても、アクション・ラーニングは効果的な方法である。例えば、北米においては、大学の生涯学習部門がアウトリーチの一環として、地域課題に大学のスタッフと地域住民が協働して取り組み、地域社会によりよい変化をもたらすことをめざすアクション・リサーチを実施している。これは、協働して活動する地域住民にとっては、アクション・ラーニングとして位置づけられる。具体的には、例えば、学校や親や地域の人たちが参加するアクション・ラーニングクラスを設け、学校と家庭と地域社会の関わりを促進するための課題を共有し、その解決策を計画し、実行するという「対話」と「行動」のサイクルを創りだし、その成果として、子どもに対する読み聞かせの訓練ビデオを作成したり、小学校レベルで教師と親のパートナーシップに基づく数学や理科学習のプロジェクトを実施するなどの試みがなされている。そして、このアクション・ラーニングクラスは大学の単位に結びつく学習機会となっており、参加者の取り組みにインセンティブを与えている。 筆者がかかわった事例として、H市の地区社会福祉協議会のまちづくり事業がある。小学校区程度の地域単位で、住民総出でまちづくり計画(アクション・プラン)をつくり、それを実行していくことを通して、より多くの住民や地域団体が従来の垣根を越えて、共に「対話」し「行動」することを可能にし、住民主体の地域づくりをしていこうとする試みである。このプロセスを経験することで、地域全体が学習する組織となり、住民たち自身による持続可能なまちづくりをしていくことをめざしている。 以上からわかるように、地域社会におけるアクション・ラーニングは、多様な関係者の協働を促す方法であり、協働がキーワードである現在の地域課題の解決やまちづくり活動に貢献するひとつの重要な戦略であると言える。 br> |
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参考文献 ・Folman,D. and Rai,K., Practicing Action Learning in a Community Context, Adult Learning Vol.11 No.3. 2001. |
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