登録/更新年月日:2009(平成21)年9月3日 |
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「朝の読書」は,学校において教育課程に位置付けられた授業が始められる前の一定時間,一人ひとりの児童生徒が自分で選んだ本を黙読する教育活動である。 近年,小学校及び中学校や高等学校では,「朝の読書」が普及しているが,その目的は,子どもたち(児童生徒)に読書習慣を身に付けさせるためである。 「朝の読書」には,“みんなでやる”,“毎日やる”,“好きな本でよい”,“ただ読むだけ”という4原則の指針がある。しかしながら,“毎日やる”ということで月曜日から金曜日までの課業日すべての時間を確保することや,“みんなでやる”=(学級担任をはじめ,職員室内の教職員を含めた)学校にいる者全員という,4原則に厳密に沿った活動までに至っていない取組もあり,様々な実践の形態がある。 「朝の読書」の具体的な読書時間は,10分間としている学校が最も多いが,15分〜20分間をあてている学校も見られる。活動の基本は,児童生徒が持参した本を所定の時間、自分の座席で黙読することである。読書活動を定着させるために学級文庫を予め準備したり図書館の本をまとめて貸し出したりすることで,その中から各自が選んだ本を読むようにさせる,読んだ本を題材にブックトークを実施するなど工夫して取り組む学校も見られる。 朝に読書をさせる活動は、1970年代以降に読書教育に興味や関心を持つ学級担任単位で個別に行われてきた。現在の「朝の読書」と称される活動の起点となったのは,昭和63(1988)年に船橋学園女子高等学校(現,東葉高等学校)における林公教諭の提唱と大塚笑子教諭の活動を契機とした船橋学園読書教育研究会による全校体制での実践である。その後、『朝の読書が奇跡を生んだ』が出版され、「朝の読書」はマスコミに取り上げられる機会が徐々に増えるとともに,先の両教諭による働きかけを通して関連諸団体が形成されていった。そして、関連諸団体の積極的な推進活動が展開され全国の学校に「朝の読書」が広まり現在に至っている。 「朝の読書」に関わる教員を中心とする団体には,朝の読書実践研究会,朝の読書推進協議会,全国朝の読書連絡会等がそれぞれ意欲的な運動を展開してきた。その中でも朝の読書推進協議会は,昭和63(1998)年以来,「『朝の読書』実践校調査」を継続して定期的に行っている。任意団体による任意調査であるが,この調査データによると,平成21(2009)年7月31日現在で「朝の読書」を取り入れている学校数は26,329校(69.3%)となっている。校種による内訳は,小学校16,367校(73.8%),中学校8,003校(73.8%),高等学校1,959校(39.4%)である。また,調査項目には,「実施規模」「実施時間」「実施回数」「読書対象」「感想文の状況」「教師の読書状況」や都道府県別実施率も報告されている。これらのデータからも,前述した4原則が必ずしも徹底されていないという実態がうかがえる。 br> |
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参考文献 |
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