登録/更新年月日:2006(平成18)年1月27日 |
|||||||||||||
|
|||||||||||||
|
|||||||||||||
【動向】 大学開放と教員の関係を考察するとき、ある種の「反面教師」として参照すべきは、私立大学における大学開放組織の人的構成である。わが国最大規模の早稲田大学エクステンションセンターを例にとれば、事務長以下40名を超えるスタッフを擁しており、その内訳は、専任職員9、契約社員6、アルバイト25という構成である。基本的に職員主導型の運営組織となっている点に特質がある。業務分担は、渉外・統括・広報を掌理する主任、財務グループ、講座運営グループ、海外グループに分けられ、講座の企画については、職員全員が各自3ないし4のジャンルを受け持ち、前年度実績を参照しながら事業計画に当たっているという。これによって、年間800近くの講座数を開講し、会員数2万名超の巨大エクステンションセンターを経営している。こうした体制の中で、所長を含む教員は、最終決定を行う管理委員会にのみ所属しているのが実態である。 次に、アメリカにおける大学継続教育センターの事例を見ておこう。事例は、カリフォルニア州サンノゼ州立大学International Extended Studiesである。この部門は、本部・支部を合わせて40名近いスタッフから構成されている。アメリカの継続教育事業は多彩であるが、社会人・有職者をターゲットとしたキャリア開発が主流の一つであることに間違いはない。その戦略的施設がProfessional Development Centerである。人的構成は、ディーンを含めて20名余であり、具体的には、エギュゼキュティブ・ディレクター1、エディター1、ライター4、プロダクション2、プログラム・マネジャー3、コーポレート・プログラム2、カスタマー・サービス7、テクニカル・サポート1、グラフィック・デザイン1、となっている。多種多様な専門職・事務職が関与している実態が分かる。当センターの事業規模は、おおよそコース数270、受講者数1万7千名である。教員はディーンのみであり、基本的に職員主導型の運営組織である点で早稲田大学と同様である。 このように、大規模な事業展開を図る大学は、日米を問わず企業体としての組織構成を有し、効率的・機動的経営を展開している。その中で、トップは教員が占めているものの、日常的な業務過程では専門職・事務職が中心的役割を果たしている。 br> |
|||||||||||||
|
|||||||||||||
参考文献 ・廣渡修一「生涯学習系センターの性格と役割発展 人的側面からの考察」『大学における生涯学習推進に関する研究 文部省生涯学習局委嘱「生涯学習の促進に関する研究開発」研究調査報告書』「大学における生涯学習推進」研究プロジェクト、2000年 |
|||||||||||||
『生涯学習研究e事典』の使用にあたっては、必ず使用許諾条件をご参照ください。 |
|||||||||||||
Copyright(c)2005,日本生涯教育学会.Allrights reserved. |