登録/更新年月日:2006(平成18)年1月27日 |
|||||||||||||
|
|||||||||||||
|
|||||||||||||
【概要】 正式名称は、財団法人広島市ひと・まちネットワーク。平成8(1996)年4月1日に、広島市が生涯学習の振興を目的に設立した公益法人で、各種の生涯学習振興事業を委託又は補助するとともに、市が設置した生涯学習関連施設の管理運営を委託している。 全国の地方公共団体による財団法人設立の動きがほぼ落ち着いていた時期に、その是非について議論が分かれていた公民館等の委託管理を、積極的な意味を持たせ、職員の増員計画を伴って進めた点で特徴がある。 【一館一国・地域の応援事業】 広島市では、平成6年10月に首都以外では初めてのアジア競技大会を開催した。地方都市ならではの温かみのあるもてなしをスローガンにソフト面の準備も進めることになり、公民館では「一館一国・地域の応援事業」を担当した。出場するすべての選手団に対して公民館が分担して声援を贈ろうというもので、2年前からアジア全般の学習を、1年前に担当する国・地域を決めての学習、開催年は会場での応援活動や選手村での交流を組織的に展開した。地域の社会教育・コミュニティ団体とアジア理解・交流目的のグループ・個人が参加し、誰でも参加できる生涯学習とボランティア活動の場となった。初めての土地で見知らぬ人から応援を受けた選手団にも、また、もてなしのボランティアとして聞いたこともない国の選手達を応援し交流した市民にも感銘を残した。 この成果は、選手団等を訪問するアジア草の根交流事業や、市ボランティア推進室の設置へと引き継がれ、ひと・まちネットワーク設立への動きにも影響を及ぼした。 【公民館における生涯学習の振興】 広島市は、平成7年当時、中央公民館と中学校区毎に(一部小学校区毎)63の地区公民館・コミュニティセンターを設置しており、地区公民館等には、それぞれ3人の市職員がいた。 この時期、生涯学習社会を構築するために、高等教育機関や民間教育機関、各種団体等との連携・調整の機能を持つ組織が、そして、公民館には地域における学びの場、地域作りの拠点として生涯学習推進機能の充実が求められた。 平成元年3月には市公民館運営審議会答申で、8つの行政区への調整公民館の設置と様々な機関とのネットワーク化、職員の増員などの提言が、平成3年6月には、文部省生涯学習審議会社会教育分科審議会施設部会で公民館の外部委託検討の必要性の指摘が、さらに、平成7年3月には、市社会教育委員会議で財団法人などの総合的推進体制の整備・確立の提言があった。 ひと・まちネットワークの設立は、一館一国・地域の応援事業の成果、公民館における生涯学習振興への期待などの背景を基に、柔軟で迅速かつ総合的な対応と独自に人材を確保・活用できる財団法人の必要性が議論された結果といえよう。 br> |
|||||||||||||
|
|||||||||||||
参考文献 |
|||||||||||||
『生涯学習研究e事典』の使用にあたっては、必ず使用許諾条件をご参照ください。 |
|||||||||||||
Copyright(c)2005,日本生涯教育学会.Allrights reserved. |