登録/更新年月日:2009(平成21)年9月15日 |
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【定義】 公理論(又は公理系)の作り方のこと。 【説明】 公理論(又は公理系)を作る公理的方法については、さまざまな言い方がなされているが、次のような手順を踏むといってよいであろう。 1.いくつかの無定義語と用いる記号を用意する。 2.命題の式を作るための形成規則を定める。 3.公理を定める。 4.式の変形規則や推論規則を定める。 5.3と4を用いて定理を導出する。 6.(必要に応じて新しい用語を導入する。) 定理は公理の内包するものを取り出した命題であり、それは公理にさまざまな条件、定義語、新たな概念などを加えて、推論を行うことによって導出できる。 そのためには、形成規則、変形規則、推論規則が必要で、もし論理を追う命題計算を行うのであれば記号論理学、集合論を用いて命題を立てた場合には集合演算法やそれらを基盤とする数学などを用いるが、そのほか、必要があれば新たな道具を作る。 論理学にあっては、公理系は次のような方法で構成される。 1.その公理系で用いる記号を明示する。 (いくつかの記号を原初記号として定め、他の記号はそれらを用いて定義する。) 2.その公理系に属する記号を配列して式をつくる。 その際、記号配列の規則である形成規則(formation rule)もつくる。 3.式のうちのいくつかを公理(axiom)として定め、公理は真であるとする。 公理から推理によって導出される式を定理(theorem)とする。定理も真である。 4.公理から定理を導出するための変形(transformation)または推論(inference)の規則(rule)をつくる。 数学における公理的方法も同じである。数学における公理的方法をごく一般的な形で述べると、 1.テーマを選ぶ 2.定義なしの用語を選ぶ 3.公理となる命題を選ぶ 4.必要に応じて新しい用語を導入しながら定理を証明する というだけにすぎない。 公理を選定する方法は、あるテーマについつての命題を集め(すべてを知ることができるとは限らない)、それらのうちで他の命題を内蔵していると望みうるような命題を基本命題としていくつか選び出す、というだけである。また、定義なしの用語を選ぶ手順もほぼ同じである。 公理的方法では複雑な社会事象を解明できないという批判があるが、問題は推論方法であろう。従来の推論は二値論理や数学を用いて行われてきたが、たしかにそれには限界がある。さまざまな事象のうち、数学的な方法で解明できるのは、せいぜい1〜2割だからである。 しかし、最近は多値論理が発達してきて、それを用いることができるようになった。非単調論理、ファジイ論理などもその一種である。また、定性的推論への取り組みも始まっている。だが、それでも限界があるので、われわれは関係に着目し、関係計算ができるような関係計算法を作って用いている(「生涯学習事象・関係論」を参照)。 br> |
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参考文献 ・山本恒夫「構造把握のための関係計算法」筑波大学教育学系論集第12巻1号、1987 ・山本恒夫『関係計算の方法』筑波大学教育学系生涯学習学研究室、1997 |
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