登録/更新年月日:2007(平成19)年3月3日 |
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初等・中等教育の学習には、常にある課題が存在した。それは、学校で学ぶことが現実の生活を有意義に過ごすための真の力の育成にならないのではないか、無意味な知識や技能の習得に終わってしまっているのではないかという疑問である。この課題意識への回答として、学習を生活に密着させ経験を重視すべきだという見解がある。しかし、一方では、人類の文化である知識・技能の確実な伝達が軽視されて良いのかという批判がある。戦後の日本のカリキュラムでもこれは大きな課題であり、教育政策も振り子のように揺れ動いたということもできる。 生活科もこのような歴史的な流れに位置付いている。小学校指導書生活編(平成元(1989)年6月文部省)において、「生活科新設の経緯」について述べられている。以下、その一部を紹介する。 「低学年教科再構成への模索―我が国の戦後学校教育において、昭和20年代の経験主義教育から、昭和30年代の系統学習への転換は、よくしられるところである。その系統学習の発展に伴って、低学年の社会科と理科の学習指導に新たな課題が指摘されるようになった。 この課題を踏まえて、昭和42(1967)年10月、教育課程審議会の答申は、次のように指摘した。すなわち、低学年社会科については、具体性に欠け、教師の説明を中心にした学習に流れやすい内容の取り扱いについて検討し、発達段階に即して効果的な指導ができるようにすること、また、低学年理科については、児童が自ら身近な事物や現象に働き掛けることを尊重し、経験を豊富にするように内容を改善すること等である。」 その後いろいろな動きがあったが、教育課程審議会答申(昭和62(1987)年12月)において、「児童の発達上の特徴や社会の変化に主体的に対応できる能力の育成等の観点から生活科の設置」が答申された。文部省は、この答申を受けて学習指導要領の改訂を行った。そして、平成元年3月15日の学校教育法施行規則の一部改正及び新しい小学校学習指導要領の告示によって、小学校低学年の教科として、生活科が正式に位置付けられた。 br> |
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参考文献 |
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