登録/更新年月日:2012(平成24)年3月15日 |
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社会の変化に伴い、睡眠や食事など子どもたちの基本的な生活リズムにも乱れが出てきており、さらに、生活リズムの乱れが学習意欲や体力の低下にもつながるとの指摘もある。そのため、小学校低学年の段階で生活リズムを改善し、日中の生活の場となる学校生活につなげていく取り組みが重要となってきている。平成18(2006)年度から文部科学省は「子どもの生活リズムの向上プロジェクト」をスタートさせ、また、PTAの組織力や民間企業のPR力を活用して運動を広げる「早寝早起き朝ごはん」全国協議会も発足し、官民一体となって、子どもの生活習慣育成のための国民運動が始まっている。 全国各地においても子どもの生活リズム向上のための運動が進められ、日々の生活状況を記録する取り組みも多く見られる。石川県白山市では、記録誌を用いた活動がより日常の生活習慣の改善につながるように、子どもたち自らが意欲的にその活動に取り組むことができる仕組みづくりを試みている。この試行は、白山市や社団法人白山青年会議所によって平成20(2008)年度から文部科学省の「子どもの生活リズム向上のための調査研究事業」により白山市生活リズム向上プロジェクトとして行われているものである。 このプロジェクトでは、子どもたち自らが主体的に就寝時刻、起床時刻、朝食摂取状況の記録をとることができるように、親しみが持てるキャラクターを使いながら記録そのものをゲーム形式としている。 具体的には、記録に用いる冊子「生活リズムモンスター攻略ブック」で、就寝を妨げる「ヨフカシー」、起床を妨げる「ネボラー」、朝食を妨げる「タベネーゼ」の3匹のオリジナルキャラクターを設定し、子ども自身が生活リズムを整えていくことによりモンスターにダメージを与え、モンスターの体力を減らすことができる。3匹のモンスターとの対戦の後に、ボスモンスター「バッド・リズムン」に対して、さらに2週間にわたり毎日の「早寝・早起き・朝ごはん」の記録をとり、合わせて約4週間の生活習慣を記録する。モンスターを倒すには、日々の生活リズムを整える必要があり、毎日の就寝、起床、朝食摂取を意識し、楽しみながら、具体的な目標を持って習慣づけできるように促している。 平成20(2008)年度から始めたこの試みは、生活リズムに変化が生じる夏休み明けに、市内の全小学校の1年生と2年生全員を対象として実施し、平成22(2010)年度には対象を小学3年生まで拡大して冊子を配布し、各家庭において「早寝・早起き・朝ごはん」の取り組みを実践するとともに、その状況を記録している。平成22(2010)年度の取り組みでは、10月中旬に小学校を経由して回収した時点で回収数は2,202通であった。 br> |
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参考文献 ・『平成18年度版文部科学白書』文部科学省、2007 ・『子どもの生活習慣づくり取組事例集』文部科学省、2011 |
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