生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:2013(平成25)年12月26日
 
 

学芸員の養成 (がくげいいんのようせい)

キーワード : 博物館法、社会教育施設、学芸員、学芸員補、学芸員資格
加藤由以(かとうゆい)
2.学芸員養成の歴史と現状
 
 
 
 
   昭和26(1951)年の博物館法制定により、学芸員及び学芸員補の資格に関する規定がなされ、その翌年の昭和27(1952)年には博物館法施行規則(以下、施行規則とする。)が制定された。
 当時の学芸員資格は人文科学学芸員及び自然科学学芸員の種別に分かれており(昭和30(1955)年の博物館法改正により廃止)、施行規則に定められる科目の単位は、大学または文部大臣の委嘱を受けた大学が行う講習(以下、講習とする。)を通して修得できた。施行規則には、学芸員資格を得るために大学または講習で修得すべき科目として、5科目10単位(博物館学4単位、教育原理1単位、社会教育概論1単位、視聴覚教育1単位、博物館実習3単位)が、加えて、人文学学芸員及び自然科学学芸員のそれぞれについての専門科目として5科目7単位が定められた。また、講習により学芸員資格を得ようとする場合には、先の単位に加えて、7科目7単位(博物館概論1単位、博物館資料収集保管法1単位、博物館資料分類及び目録法1単位、博物館資料展示法1単位、教育原理1単位、社会教育概論1単位、視聴覚教育1単位)を修得することが定められていた。
 昭和30(1955)年には博物館法の一部及び施行規則の全部が改正され、学芸員資格付与講習の制度が廃止され、試験認定及び無試験認定(平成21(2009)年の施行規則改正により「審査認定」に改称。)による資格認定制度が開始された。
 学芸員資格を取得するために修得すべき科目の単位数は、平成8(1996)年の施行規則改正(平成9(1997)年4月1日施行)を受けて8科目12単位(生涯学習論1単位、博物館概論2単位、博物館経営論1単位、博物館資料論2単位、博物館情報論1単位、博物館実習3単位、視聴覚教育メディア論1単位、教育学概論1単位)へ、平成21(2009)年の改正を受けて(平成24(2012)年4月1日施行)9科目19単位(生涯学習概論2単位、博物館概論2単位、博物館経営論2単位、博物館資料論2単位、博物館資料保存論2単位、博物館展示論2単位、博物館情報・メディア論2単位、博物館教育論2単位、博物館実習3単位)へと増加してきた。
 平成25(2013)年4月1日時点での学芸員養成課程開講大学は、4年制大学291校と短期大学9校の計300校がある。平成20(2008)年度に文部科学省の委託で実施された「大学における学芸員養成課程及び資格取得者の意識調査」によると、平成17(2005)〜平成19年(2007)年度の学芸員資格修得者数は、それぞれ9,663人、9,451人、8,588人であり、そのうち博物館等関連施設(※博物館、美術館、資料館、史料館、文書館、埋蔵文化財センター、アートセンター、動物園、植物園、水族館、(展示主体で、作品売買を行わない)ギャラリー 等を指す)に就職した人数は、151人、144人、112人である。
 
 
 
  参考文献
 
 
 
 
 



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