生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:2006(平成18)年9月2日
 
 

山形県の「遊学館&文翔館」 (やまがたけんの「ゆうがくかん&ぶんしょうかん」)

キーワード : 遊学館、文翔館、生涯学習センター、郷土館、山形
岡崎和貴(おかざきかずたか)
1.遊学館と文翔館
   
 
 
 
  1.遊学館
 昭和57(1982)年12月に、山形県生涯教育振興委員会から「山形県生涯教育基本構想が答申され、その中で「生涯教育センターの建設と中枢的機能の整備」が提起された。このうち、生涯教育センターの建設については、昭和58(1983)年12月に学識経験者等からなる「山形県生涯教育センター基本構想策定委員会」を設置し、様々な観点から検討を行い、平成2(1990)年7月に本県の生涯学習推進のための中核施設として「遊学館」を開館した。
 遊学館は、山形県生涯学習センターと山形県立図書館・山形県男女共同参画センターが一体となって県民の生涯を通した自発的な学習を盛んにし、一人ひとりが心豊かな生活を創造するよう、また新しい時代を拓く県民としての資質を高めてもらうことをめざしている。
 「遊学」は、『よその土地へ行って学問をすること』がもとの意味だが、「ゆとりをもって学ぼう」、「よく学び、よく遊べ」との願いを込めて名付けられた。
 運営主体は、財団法人山形県生涯学習文化財団で、県民及び県内外の生涯学習関連施設との情報ネットワークの形成を図る基本性能を持つとともに、県と密接に連携し、総合的な学習情報の提供と学習相談、NPOなどの生涯学習団体の主体的な学習活動への支援も行っている。
また、全国的にも高い評価を得ている「山形学」のさらなる推進と、地域学ネットワークの構築を目指している。
2.文翔館
 山形県旧県庁舎及び県会議事堂の保存活用については種々の検討が重ねられた結果、昭和58(1983)年に、山形県郷土館(仮称)基本構想委員会により「山形県郷土館(仮称)基本構想」がまとめられた。この中で、名称を「山形県郷土館」とすること、文化財保存の基本的な考え方、展示の基本テーマ、機能、施設の活用などについての事項が決定された。
 建物は、大正5(1916)年6月に建てられた、県庁舎と議事堂の2棟から成るイギリス・ルネサンス様式を基調としたレンガ造りの建物で、設計は米沢市出身の中條精一郎を顧問として、東京都出身の田原新之助が担当。昭和59(1984)年に国の重要文化財に指定された後、昭和61(1986)年から修理工事を始め、10年の歳月をかけて平成7(1995)年9月に完成、同年10月1日に開館した。当時の工法を基に忠実に復原された建物は、大正の古き良き時代の薫りを今に伝えられている。
 「文翔館」の愛称は、修復工事を経て、山形県郷土館として開館するにあたり、シンボルマークと一緒に全国公募された中で1,002点の応募から選ばれたものである。
 運営主体は、遊学館同様、財団法人山形県生涯学習文化財団で、「山形県旧県庁舎及び県会議事堂」を貴重な文化遺産として保存公開を行うほか、本県文化振興の拠点として、ホール、ギャラリー等の機能や美しく優雅な景観を活用し、芸術文化鑑賞会の提供、文化活動に活性化を図るとともに、県内各地における芸術文化活動を一層推進するための各般の文化事業を推進する拠点施設として、展示事業やステージ事業を行っている。また、ガイドボランティアを養成し、入館者の案内役として文化財としての文翔館の概要説明、展示案内のほか、山形県の文化振興に対する取り組みを広く県内外にアピールする重要な役割も担ってもらっている。

 
 
 
  参考文献
 
 
 
 
   



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