登録/更新年月日:2012(平成24)年12月24日 |
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グローバル化する現代社会において、物質的な豊かさを求めることを目標とすることから、真の幸福を実現することを目標とするような、価値観の見直しが必要となってきている。これからの時代を、どのようにして生きてゆくのかについて、世代や国を超えて人と人が対話をする中で、それぞれの個人が正解のない答えを見つける必要があると言えよう。このような対話を通じて、世代や地域を超えてのネットワークや地域内での人と人とのネットワークを構築していくことが、これからの生き方に対する学びのきっかけとなり得る。 大学の教養教育は、これまで教員から知識を一方的に伝授する方式が一般的であった。これは基本的には画一的な教育をおこなうシステムであり、それぞれの学習者の個性に合わせることには限界がある。学習者が大人数であったとしても、学習者の目的や、基礎知識のレベルが均一である時には効率的な学習法である。特に知識を増やすことに関して効果的である。しかし講義形式の授業は、人間社会や人間と自然の関わりなどの複雑なネットワークを理解することに関しては、必ずしも向いているとは限らない。大学教員は、知識を伝授する役割を担っており、学習者は受動的に知識を受け取る傾向が強くなる。授業に積極的に関わる学生が多くなくても、教員は形式的に授業を進行することもできる。 これに対して、対話型学習は、学習者の個性を発揮させることを主眼とした学習法である。学習者の目的や、基礎知識レベルが多様であったとしても、それぞれの立場からの学習が可能である。対話型学習は学習者同士の対話の中で、語句としての知識を使いながら、改めてその知識の意義を問い直す。自身の知識の不確かな点に関しては、能動的に学習を進めるという行為を通じて、次第にその知識を他の知識と関連づけることが出来るようになる。このような能動的な学習の成果は、次の対話型学習の場で生かされることにつながる。この学習形態における教員の役割は、学習者同士のグループのコーディネーターである。このように学習者は、自分の個性を発揮しながら、学習に能動的に参加することになる。ただし学習者同士の連携がうまく取れない場合には、授業計画を適宜変更して、学習者同士の対話がより良い方向に向くような配慮が必要になってくる。また、勉学のために、能動的に他者と関わりをもつことに対する抵抗感がある学習者が多い場合には、導入的な学習プログラムも必要になってくる。学習の目的に沿った適切な話題の選択が、学習効果を高める上で重要である。関連した話題を、時間を見計らって系統的に提示することにより、知識のつながりを確認することなど、対話型学習のための教育プログラム開発が必要である。 br> |
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参考文献 ・大橋 眞・中恵真理子・光永雅子・斎藤隆仁 世代間交流による生涯学習- 大学教養教育における対話型学習-日本生涯教育学会論集 33:133-141(2012) |
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