登録/更新年月日:2006(平成18)年1月27日 |
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少年自然の家は設置の目的を達成するために「主催事業」と「受入れ事業」を展開している。「主催事業」は少年自然の家がテーマの設定、事業の企画、参加者の募集、事業の実施、評価を行う事業である。「受入れ事業」は少年自然の家を利用する学校、団体が自身で希望する利用期間の活動計画を立て、自主的な活動を展開することを支援する事業である。 「主催事業」の企画にあたっては、その時のいわゆる「少年の現代的課題」からテーマを選び、少年の心身の発達に必要な適切な取り組み方法を取り入れた事業計画を立てる。「受入れ事業」は、利用者が自身の計画に従ってより効果的に活動を展開できるように、施設側は相談に応じ、教材・用具の提供等を行うようになっている。「受入れ事業」の主な利用者は、小・中学校の児童・生徒や少年教育の指導者また社会教育関係者であるが、完全学校週5日制の導入に伴って、家族の利用も増加している。学校利用では、最近の学習指導要領(平成10年)に示された「総合的な学習の時間」、学校教育法18条の2に新たに掲げられた小学校における「体験活動の充実」(平成16年改正版、中学校に関してはこの条を準用)に対応する活動を目的とする場合が多くなっている。利用期間は1泊2日、2泊3日が多いが、1週間程度の長期体験活動を実施している学校もある。 こうした教育事業を円滑に展開していくために、少年自然の家は、「指導系」職員と「管理系」職員による組織を持っている。指導系職員は、主催事業の企画、実施及び受け入れ事業における利用相談、利用調整、必要に応じての直接、間接指導等利用団体の活動支援を担当する。管理系職員は、庶務、人事、財務、施設管理等の事務を担当する。 国立少年自然の家では、所長の下で17名程度の職員が両系業務を分担している。 公立少年自然の家は、設置者によって組織が異なるが指導系職員、管理系職員が置かれていることは国立施設と同様である。国立施設においては、職員のほかにさまざまな分野で運営に協力するボランティアが活動しており、社会人、大学生、高校生が施設の活動の充実に貢献している。公立施設でもこうしたボランティアによる協力活動を導入している所もある。 少年自然の家は、少年が知・徳・体のバランスのとれた次代の社会の担い手として成長することを願って、「生きる力」を身につけることができる豊富で多様な体験活動を提供できるよう努めてきた。今日、少年を取り巻く社会に次々と起こる変化を踏まえて、対応力を発揮できる少年育てを改めて重点課題としながらこれまでの努力を続けていくことが求められよう。各地に所在する少年自然の家の特色ある自然、地域の歴史、文化、産業などの立地条件を十分活用し、直接的自然体験、他の人とのかかわりが求められる生活体験、主体的な奉仕体験等々を含む活動プログラムの開発、質の高い指導者の確保、学校との緊密な連携に取り組んでいく必要がある。 国立青少年教育施設には国立少年自然の家のほかに国立青年の家、国立オリンピック記念青少年総合センターがあるが、この3つの独立行政法人が平成18年度から1法人に統合されることになっている。 br> |
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参考文献 ・伊藤俊夫他「青少年教育施設職員の手引き」 独立行政法人国立オリンピック記念青少年総合センター 平成15年 ・独立行政法人国立少年自然の家「平成16年度 自己点検・評価報告書」 独立行政法人国立少年自然の家 平成17年 |
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