登録/更新年月日:2006(平成18)年10月30日 |
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「1.博物館等施設における学社融合の現状と課題」で述べたように、現在博物館における教育活動については、教育効果が期待できるであろう学社融合事業についても、現在進められている指定管理者制度の導入によって、採算面における費用対効果を最優先する可能性がある。 そこで、試作段階ではあるが、新しい教育活動の試みとして、現在旅行会社とタイアップをした企画を進めている。ちゃちゃワールドがある遠軽町は平成17(2005)年に旧遠軽町、白滝村、丸瀬布町、生田原町の4町村が合併して新遠軽町となったが、新遠軽町には、黒曜石の原産地として知られる白滝地区の遺跡、博物館施設である昆虫生態館を中心に自然の学習ができる丸瀬布地区、ちゃちゃワールドがある生田原地域など、自然・歴史・文化を発信する施設が多数存在する。このことから、これらの施設が連携し、札幌市など市部の小学生を対象に、各施設と、町内にある歴史・自然を活用して体験活動を行うツアーを企画、平成18(2006)年10月28・29日に第一回目のモニターツアーを行った。遠軽地域の自然と、その自然を核としてきた歴史について、各博物館等施設と旅行会社が連携してプログラムを開発し、都市部では体験できない活動を行うというもので、札幌に本社をもつ旅行会社の市場開発部門と連携し、都市部のユーザーの現状を踏まえ、その学習に対する欲求や期待などを把握して、それに会わせる形で白滝地区の黒曜石の遺跡、丸瀬布地区の昆虫を中心とした自然、生田原地区の木のおもちゃを中心として日本の伝統的な木工の技術や知恵を、1泊2日の行程で利用者が体験するというプログラムである。 第1回目は、定員20名が告知後30分で満員になった。時間的な問題から、学校との連携、地元住民の参加も不完全であったが、今後は、食事に関しては地元有志のボランティアによって、郷土料理を利用者と共に調理したり、地元の小学生と触れ合う時間を設け、子ども同士がコミュニケーションをとる機会を設けるなどの企画もプログラム化し、平成19(2007)年1月に第2回目のモニターツアーを予定している。 第1回目のモニターツアーについて、事前事後のアンケートによってその成果を分析し、プログラムに修正を加えていきながら、定期的な受け入れを行える体勢を作ると共に、博物館等施設と学校の連携に留まらず、博物館等施設同士の連携、都市部の学校と遠軽地区の学校の連携、教育界と観光界との連携にまで手を組む範囲を広げて、滞在型観光と教育が手を組んだ、学社融合事業を組み立てていきたいと考えている。 br> |
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参考文献 |
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