生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:2006(平成18)年9月23日
 
 

子育てネットワーク IN ふくおか (こそだてねっとわーくいんふくおか)

parenting network in Fukuoka
キーワード : 大人プログラムと子どもプログラム、官と民、実行委員会、メーリングリスト
菊川律子(きくかわりつこ)
2.事業の特色及び特色を可能にした要因並びに今後の展望
  
 
 
 
  1)事業の成果と特色
 平成12(2000)年にスタートした「子育てネットワーク研究会」の創造的で地道な活動と平成17(2005)年度からの社会教育総合センターの主催事業としての関わりの中で、平成18(2006)年度の事業運営は「官と民がともに汗をかく」ものとなっている。
ア. 子育てグループのリーダーと職員が対等に実行委員会を構成し、企画し、長期間に渡って親たちも講師や講演依頼等、実務を担い事業を作り上げていること。
イ. 実行委員の構成は、親だけでなく市町村の社会教育や福祉関係の行政職員等も参加しているとともに、親等のオブザーバー参加が可能である等オープンであること。
ウ. 実行委員として活動することで、親たちが知識や技能等の力量をつけ、人間関係を豊かにしていること。
エ. 大人プログラムと子どもプログラム、共通プログラム等親子の両方に配慮し、かつ子どもの発達段階を踏まえたプログラムであること。また、協議やワークショップ等参加体験型のプログラムが充実していること。
オ. センターの施設機能を生かし、子連れの宿泊プログラムであること。
カ. 実行委員会は月に1回程度であるが、その間メーリングリストによるメールでの協議が頻繁に行われ、そのやりとりで協議が深まっていること。
キ. 平成18(2006)年度は、行政職員が子育ての実態に学ぶための分科会を設けたこと。
ク. 本事業のノウハウや人間関係がセンターの他の事業に好影響を与えていること。
2)特色を可能にした要因
ア.「子育てネット研究会」は県内の子育てネットワークの半数以上が所属している団体であるが、親の主体性やまちづくりへの指向等、優れた活動実績を積み重ねてきていること。
イ.研究会のリーダーの一部はセンターの非常勤職員も兼ねる等、センターと研究会メンバーの意思の疎通が良好であること。
ウ.センターの施設や事業の蓄積、職員の柔軟な対応が子育てグループをサポートするのに適していること。
エ.平成17(2005)年度は官民の互いの仕事の線引きに多少課題が残ったが、その反省を踏まえ、平成18年度は実行委員が意思統一し、「官民一緒に一から作る」「共に得意分野を出し合う」「本音で語る」というやり方が効をそうしていると思われること。
オ.IT技術の進歩により、時間と空間を超えた議論が可能となっていること。
3)今後の展望
 本事業は事業の内容とともに、その作り方に大きな特徴がある。特に子育て支援等においては、当事者の意向を踏まえない事業はあり得なく、またこれらの事業は行政が「与える」ものではない。若い親たちの能力、柔軟性に感心しながら、今後とも現在進行形で本事業を見守ることで、行政の今後の仕事の在り方を検討して参りたい。
 
 
 
  参考文献
 
 
 
 
  



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