生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:2007(平成19)年3月1日
 
 

埼玉県の子育てアドバイザー制度 (さいたまけんのこそだてあどばいざーせいど)

the system of advisers for child care in Saitama Prefecture
キーワード : 子育て、家庭教育、家庭教育支援、アドバイザー、サポーター
加藤美幸(かとうみゆき)
1.子育てアドバイザー制度
   
 
 
 
   近年の核家族の増加や少子化の進行により家庭を取り巻く社会環境が激しく変化し、家庭教育が行われる場としての家庭そのものが大きく変容している。また、家庭や家族に対する人々の考え方も多様化しており、ひとり親家庭の増加や家族の形態も多様になる傾向にある。
 これらに対応するために、埼玉県では、平成9(1997)年度から「子育てネットワーカー養成講座」を開催し、子育てに関する不安や悩みをもつ親等に対してアドバイスをしたり、子育てグループを指導したりすることができる子育てアドバイザーを養成してきた。
 「子育てアドバイザー」は、「子育てネットワーカー養成講座」修了者、埼玉県家庭教育振興協議会会員、乳幼児子育て電話相談員、その他子育てを支援するにふさわしく、かつ意欲をもつ人のうち、本人の承諾を得た者で構成されている。
平成17(2005)年度「子育てネットワーカー養成講座」修了者は91人、平成18(2006)年度は109人であった。そのうち、平成17(2005)年度は79人、平成18(2006)年度は106人が「子育てアドバイザー」として登録した。このことにより、平成9(1997)年度から平成18(2006)年度の修了者は723人、「子育てアドバイザー」は668人となった(平成19(2007)年2月末現在)。現在、県内70市町村のうち「子育てアドバイザー」がいる市町村は66(94%)となっている。
 埼玉県では、「子育てアドバイザー」の活動を支援するため、平成10(1998)年度から平成13(2001)年度まで、「子育てアドバイザー活用促進事業」を実施し、登録及び情報提供、研修を行ってきた。さらに、平成11(1999)年度から平成13(2001)年度にかけては、この取組を総合的に推進するため、市町村の「心の相談コーナー」や「家庭教育学級」に「子育てアドバイザー」を派遣するモデル事業を実施した。また、平成12(2000)年7月には青少年の非行問題行動に対処するために、「子育てアドバイザー」を母体に機動性をもった「家庭教育緊急支援ボランティア隊」を組織した。平成14(2002)年度以降、「家庭教育支援ボランティア隊」に移行し、現在に至っている。
 「子育てアドバイザー」は、市町村等の開設する家庭教育学級や子育て講座の指導・助言者として、幼稚園や保健センター等の開設する相談コーナーの相談者として、その他サークル等でのサポーター・アドバイザーとして活動している。制度の開始から10年が経過するが、登録者の増加とともに認知度が向上してきており、市町村の家庭教育支援事業の中でも活用されるようになっている。
 今後、「子育てアドバイザー」の資質向上及び活動の促進を図るために、多様な学習機会の提供やネットワークづくり、そして積極的な情報提供に努めたい。
 
 
 
  参考文献
・埼玉県地域家庭教育推進協議会「家庭教育支援総合推進事業報告書」平成16年3月、平成17年3月
・埼玉県教育委員会「家庭教育支援総合推進事業報告書」平成14年3月、平成15年3月
・埼玉県教育委員会「伸びよ!3歳」平成9年3月、平成10年3月、平成11年3月、平成12年3月、平成13年3月
・埼玉県教育委員会「子育てアドバイザー名簿」平成18年4月
 
 
 
 
   



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