登録/更新年月日:2010(平成22)年11月12日 |
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【定義】 介護は、身体的、精神的障がいのために日常生活に支障がある場合に、日常生活行動の介助や身の回りの世話をすることである。介護福祉士とは、1987(昭和62)年に「社会福祉士及び介護福祉士法」が制定され、わが国で最初にできた介護の専門職である。 介護福祉士は、その名称を用いて、専門的知識及び技術をもって、身体上または精神上の障がいがあることにより、日常生活を営むのに障がいがある者に心身の状況に応じた介護を行い、並びにその者及びその介護者に対して介護に関する指導を行うことを業とする者で、社会福祉士と同様に国家資格である。 【説明・動向】 高等学校において、専門教科「福祉」を中心に専門教育をする学科を設置している高校は2001年3月現在、全国に364校あり、そのうち介護福祉士国家試験受験可能校は138校である。教育課程には、訪問介護員(ホームヘルパー)養成課程、介護職員基礎研修課程、介護福祉士受験資格取得課程などがあり、課程により取得する資格は異なる。 【課題】 2008(平成20)年10月のわが国の65歳以上の高齢者数は2,822万人となり、総人口に占める割合も22.1%となった。今後、団塊の世代が高齢者の仲間入りし、ますます高齢者の増加は予測される。わが国は、人口の高齢化で、介護需要が高まっているが、現在、介護職の人材不足が課題とされている。また、核家族化や介護の長期化は、家族の介護負担を大きくし、介護の問題は、社会問題になっている。 【事例】 平成21年7月に、普通科コースの高校生113名と介護福祉士・介護員養成コースの高校生132名に親の介護についての意識調査を実施した。全体の結果では、思う事として多かったのは、「最後まで見てあげたい」、「自分にできるか心配」、「頑張ろう」、「人間的に成長する」などであった。また、少ないものは、「迷惑だ」、「どうして自分がやらなければならないか」、「面倒だ」、「施設で世話して欲しい」などであった。二高校の比較では、普通科コースでは、「仕方がない」、「手間がかかる」、「迷惑だ」、「面倒だ」が多く、介護福祉士・介護員養成コースは、「よい経験になる」、「人間的に成長する」が多かった。 介護学習をしている高校生のほうが、親の介護に対してポジティブな意識を持つ者が多かった。しかし、当調査では、親の介護にポジティブな意識を持つものが介護コースに進学するのかまではわからない。「自分にできるか心配」と思う高校生に介護学習の機会を作り、不安の軽減を図り、高齢社会に生きる自分の役割を認識させることが必要と考える。 br> |
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参考文献 ・「社会福祉士・介護福祉士・社会福祉主事、関連法令通知集」第一法規,2009年 ・保住芳美「高校福祉科卒業の介護福祉士の位置」川崎医療福祉学会誌12、2002年 ・青柳育子「介護に対する高校生の意識調査−普通科高校と介護職養成高校の高校生の意識を比較する−」日本生涯教育学会論集31、2010年 |
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