登録/更新年月日:2006(平成18)年11月24日 |
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小学校学習指導要領(以下、「学習指導要領」という。)は、学校教育法施行規則第25条「小学校の教育課程については、この節に定めるもののほか、教育課程の基準として文部科学大臣が別に公示する小学校学習指導要領によるものとする。」の規定により、小学校における教育について一定の水準を確保するために法令に基づいて国が定めた教育課程の基準のことである。教育課程とは、同法施行規則第24条「小学校の教育課程は、国語、社会、算数、理科、生活、音楽、図画工作、家庭及び体育の各教科、道徳、特別活動並びに総合的な学習の時間によって編成するものとする。」の規定のとおり、各教科、道徳、特別活動及び総合的な学習の時間から成り立っている。学習指導要領第1章総則の第1の教育課程編成の一般方針で、「各学校においては、法令及びこの章以下に示すところに従い……適切な教育課程を編成するものとする。」と示しており、国内のすべての小学校では学習指導要領に従って教育課程を編成しているのである。 現行の学習指導要領は、平成14年4月1日から実施されている。この学習指導要領は、各学校がゆとりの中で特色ある教育を展開し、児童に豊かな人間性や基礎・基本を身に付け、個性を生かし、自ら学び自ら考えるなどの「生きる力」を培うことを基本的なねらいとして改訂された。言い換えると、生きる力の育成を目指した学習指導要領であるとも言える。「生きる力」については、平成8(1996)年7月の中央教育審議会第一次答申「21世紀を展望した我が国の教育の在り方について」の中で、これからの学校の目指す教育の一つに「生涯学習社会を見据えつつ、学校ですべての教育を完結するという考え方を採らずに、自ら学び、自ら考える力などの『生きる力』という生涯学習の基礎的な資質の育成を重視する。」を挙げている。つまり、生きる力は生涯学習の基礎的な資質のことであり、生涯学習社会の実現に向けては生きる力の育成が重要であることを指摘している。 学習指導要領第1章総則の第1「教育課程編成の一般方針」において、生涯学習との関連が強く示されている。その一つは、「自ら学び、自ら考える力を育成する」である。これは、「各人が自発的意思に基づいて行うことを基本とする」、「自己に適した手段・方法は、これを自ら選んで、生涯を通じて行う」(昭和56年中央審議会答申)という生涯学習と深くかかわっている。現行の学習指導要領は、これまでの多くの知識を教え込む教育から児童が主体的に学び、自分の考えをもちそれを的確に表現できる教育へと転換を図るために、生涯学習の考え方を重視した内容になっているのである。二つ目は、「基礎的・基本的な内容の確実な定着」である。これは、教育課程審議会答申では「基礎・基本の確実な定着」と表記されている。基礎・基本については、昭和60年(1985)年の臨時教育審議会「教育改革に関する第一次答申」で、「生涯にわたり主体的に学習していく上で必要な能力や人格形成の基礎・基本」と示しているとおり、生涯学習の基礎とともに人格形成の基礎・基本のことであり、生涯学習と深く関連する内容である。 これらのことから、学習指導要領は生涯学習の基礎的な資質を培うことを基本的なねらいとしており、生涯学習と密接に結びついているのである。 br> |
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参考文献 ・文部科学省『小学校学習指導要領解説(総則編)』東京書籍株式会社、平成11(1999)年 |
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