登録/更新年月日:2017(平成29)年1月7日 |
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【定義】 生涯学習の阻害要因としての上司の認識とは、社会人が個人的に大学や大学院で学ぼうとするとき、その学習行動を阻害しようとする職場等の上司の認識のことである。 【説明・動向】 近年、社会経済のグローバル化や情報化の加速がすすみ、社会人を取り巻く環境が大きく変化するなかで、社会人が行う学習活動は重要な意味をもつ。文部科学省は、今後の高等教育機関が果たすべき重要な役割の一つとして社会環境の変化に対応できる人材育成を指摘している。既に15年前に同省は、高等教育機関で行う学習に対しての社会人個人のニーズや社会的必要性は高いと述べている(文部科学省 平成13(2001)年)。 しかし、実際には高等教育機関で学習する社会人はいまだに多くない。文部科学省が行った調査結果では(平成22(2010)年)、彼らの学習を妨げる要因として「雇用者の理解が得られない」など、職場の事情があげられている。本研究では、社会人大学院生の学習環境についての問題について、学習に対する組織からの評価という視点から考え、企業等組織に在職する上司に対して面接調査を実施し、質的分析を行った。その結果、部下の学習行動に対する上司の認識には、アンビバレンスな感情があるという仮説を生成した。 【課題】 上司の認識は、職業をもつ社会人が高等教育機関で学習することに対して大きな影響力をもつが、この点についてこれまで積極的に議論がなされてこなかった。本研究では仮説を生成したが、今後は社会人の業務や組織体制など、社会人を取り巻く背景を精査しながら検証することが必要であると考える。 br> |
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参考文献 ・文部科学省「文部科学白書」第1部第6章第1節2(1)社会人の大学等でのキャリアアップ、2001年 ・両角亜希子「職業人と大学教育調査−結果の概要−」東京大学大学経営・政策研究センター(中央教育審議会大学分科会大学規模・大学経営部会第6回資料)、2010年 |
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