登録/更新年月日:2013(平成25)年8月1日 |
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【概要】 ・ 人材認証制度とは、大学や地方公共団体、民間教育事業者等が実施する学習者の学習成果の評価・活用のための仕組みをさす。 ・ 人材認証制度に対する明確な定義はなされていないが、本項目では関係する調査から引用し、「一定の学習や活動を経た人材の能力、経験等を客観的に認証等を行う仕組みをいう。例えば、○○支援士、○○学習士、○○コーディネーター、○○マイスター等の称号・呼称の発行のほか、講座受講による修了証の交付等の仕組みまでを広く対象とする。ただし、法令に根拠のある資格やある時点における知識・技能の到達度だけを認定する検討試験は含まない」とする。 ・ 文部科学省が人材認証制度が着目した平成22(2010)年度当時は、「教育支援人材」として地域で子供の教育活動を担う住民の活動を支援する制度を中心に扱っていたが、最近では、認証する分野を教育分野のみならず現代的課題一般まで拡大して扱うことが多い。 ・ 現在、人材認証制度は、質の保証・向上に資する取組として、人材認証制度の実施団体による自己評価が行われているところであるが、「第6期中央教育審議会生涯学習分科会における議論の整理」では、今後、更に認証の共通枠組みの構築に向けた検討が求められるとされている。 【実態調査等】 ・ 文部科学省では、平成22(2010)年度、平成24(2012)年度の二度、人材認証制度に関する調査を行っている。 ・ 22(2010)年度調査では、我が国における多様な分野での人材認証制度を概観するため、全自治体の首長部局及び教育委員会、国公私立大学・短期大学を対象に悉皆でアンケート調査を行っている。その結果、全国で約1,000の制度が実施されており、中でも教育支援に関する分野が多いことが明らかになった。一方で、今後重視すべき課題として、認証された人材と活動の場を結び付ける仕組み(以下、「マッチング」という)の整備が今後重視すべき課題とされた。 ・ 24(2012)年度調査では、前回調査で課題とされたマッチングに着目し、その改善方策を検討している。その結果、認証制度を実施された団体が取り組むべきポイントとして、具体的な活動の場を見据えた制度設計、制度運用の各段階における活動の場のステークホルダーの巻き込み、コミュニケーション能力・ファシリテーション能力養成の重視、認証者による団体の設立等を挙げている。 ・ また、24年(2012)度調査では、依然としてマッチングを行う人材認証制度が全体の3割程度にとどまる一方で、受講者が既に活動の場を持っているためマッチングを行う必要がないとする回答も多く挙げられた。既に何らかの活動を行っている者が改めて自らの活動について体系的に学ぼうとするときに、その機会が人材認証制度によって提供されていることは、人材認証制度の存在意義の一つと言える。学習機会の手段として、また、学習の成果を生かす手段として、人材認証制度が更に普及・発展することが望まれる。 br> |
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参考文献 ・「教育振興基本計画」(閣議決定)平成25(2013)年6月14日 ・中央教育審議会生涯学習分科会「第6期中央教育審議会生涯学習分科会における議論の整理」平成25(2013)年1月 ・平成22年度文部科学省委託調査「人材認証制度の現状及び課題分析に関する調査研究」 ・平成24年度文部科学省委託調査「人材認証制度のニーズ及びマッチングに関する調査研究」 http://www.mext.go.jp/a_menu/ikusei/jinzai/1321436.htm |
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