登録/更新年月日:2010(平成22)年5月20日 |
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やしお元気ネットは、平成18(2006)年4月に設立された会員120人の組織である。定年退職で会社を離れた団塊の世代は、わが国の高度成長期を支え、高い能力と社会への貢献に使命感を持ちながらも、反面、地域とのかかわりが薄く、会社人間、仕事人間等とも呼ばれてしまう世代である。やしお元気ネットは、その団塊の世代を地域で組織化し活動しようとする団体である。主に60歳以上の男性を中心に、今までの社会での経験を地域に生かすことを目的に集まり活動している。 団塊の世代のエネルギーを地域に活かそうと、市が出資してできた「やしお生涯学習まちづくり財団」が呼びかけて、平成17(2005)年度に公募の16人で「シルバーパワー組織化委員会」を発足させたのが、きっかけとなった。同委員会では、シルバーパワー、特に定年後の男性のパワーをまちづくりに生かせるような団体を組織するため、なぜ男性が地域に出てくることができないのかを探り、男性がたくさん参加できる組織づくりを目指して検討を重ねた。試行錯誤の中で会議を重ね、いろいろな意見や方向性が出されたが、組織化を目指すという志を最後まで持ち続けていたメンバーの熱意が会設立の原動力となった。 市内の会員は約90人で、ほかに埼玉県内他市、東京、千葉、神奈川などにも賛同者がおり会員となっている。「団塊の世代」の地域参加をお手伝いするプロバイダー役になりたいとの思いで発足し、順調に会員が増えているが、共通の趣味・教養の分野があるわけではないので、活動を絞りにくいという課題がある。しかし、会員各自が得意分野を生かしながら、メンバーズ講座を開催している。一例として、各種講演会、素人げんき寄席、歩こう会等の活動がある。もともと一つの趣味や教養活動のために集まったメンバーではないので、設立趣旨には賛同するものの、方向性はまちまちであり、意見をまとめていくのにエネルギーが必要だった。そのため、メンバー同士が共通理解でき一人でも多くの会員が参加して意見を出せるよう、毎月1回開催するメンバーズ講座では、今までの会社の肩書きではない手づくりの名刺を各自が用意して、相互理解と交流を図り意見交換を繰り返した。中には、「酒席研究員」「主夫」「糖尿・通風評論家」等真剣な中にユニークな名刺も目立った。行政・財団側では、引き続き会議の場の提供や情報の提供等側面支援を行った。 平成19(2007)年度に入り、財団がやしお元気ネットとの協働事業を提案した。全国で初めて行われる「健寿のつどい」だ。この事業は、成人式の高齢者版のような事業で、節目の年齢である60、70、80、90、100歳の方に集まってもらい、一般参加者とあわせて長寿を祝い健康を考える集いである。企画から募集、当日は受付や会場スタッフとして活躍した。ほかに行政としては、市の男女共同参画課が主催するセミナーの事業委託を行い、元気ネットが企画から開催に至るまで一切を実施した。 最後に、会の性格について記述した一文を総会資料の中から抜粋する。 「現役時代はそれぞれ、その職業を通して生き抜き、リタイヤした今日、地域社会にあってもその条件は同じです。お互いに孤立することなく、地域社会に溶け込む努力をしたいものです。“やしお元気ネット”はそのお手伝いをする組織として大いに活用していただきたいと思います。」 br> |
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参考文献 |
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