登録/更新年月日:2016(平成28)年11月7日 |
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参画型学習事業を実効あるものとするためには、以下のような視点に立って構築し運営することが肝要といえる。ここでの視点は、前述の松戸市の「ふるさと発見創造講座」等の10年にわたる実証的研究から得たものである。ここでは、学習・調査・研究などの活動を「学習活動」とし、また、学習集団を「班」とする。 【応募・広報】 1)参画型学習事業の目的に賛同した学習意欲の旺盛な幅広い受講層の確保 受講対象者は、自らの考えや行動に責任が持て、この事業参画への旺盛な意欲と情熱のある異なる年齢や様々な生活体験を有する人々とする。特に、社会貢献活動などの実践者の応募が望まれる。 2)受講時の活動がイメージできる広報活動の充実 この事業の目的や概要のほかに、応募者が受講時の様子などを具体的に把握できるような工夫が求められる。また、事業修了者の事後活動を積極的に支援することも効果的な広報活動といえよう。 3)募集は前年度末とし単年度で早期の開設 募集は3月末で終了し、開設期間は4月からスタートし来年の3月末で終了とすることが肝要である。特に、自然・歴史・環境・食文化などの分野では、春夏秋冬を通して学習活動できるように配慮する必要がある 【学習プログラム】 1)実践的な学習プログラムと参画・体験型学習方法の導入 全員が受講する学習内容は、この事業の趣旨の理解やボランティア活動の意義など基本的なものとする。また、核となる体験型学習活動に資する技法などは、先導的な事例を参考にしながら体得できるようにする。学習方法については、ワークショップやコンセンサス法など参画・体験型を取り入れる必要がある。 2)呼吸する学習プログラムの積極的な導入 学習活動が進展する中で、学習内容・方法に関する新たな興味・関心への高まりや学習テーマの変更への要望などに柔軟かつ適切に対処できる学習プログラムのことである。つまり、プログラム自身が生きているように、学習者の求めに応じて学習内容や研究テーマ、講師・助言者や開催回数などを容易に変更できるということである。そのためには、予算やプログラム編成の弾力化など主催者や主任講師などの的確な措置や配慮が必要である。 3)事後活動を事前に仮体験できる学習内容・方法の導入 地域活動等を実施している本事業の修了者を講師・助言者として迎え、学習者に本事業受講時や事後活動の体験などの講義を受講させる。また、住民を対象に開催しているイベント等に学習者が参画できる機会を提供する。さらに、学習者自らが学習活動の成果を生かした社会貢献活動を企画し運営・評価ができるプログラムを設定する必要がある。 4)柔軟な所属班づくりや班員の実態に即した班活動と代表者の設置 班活動では、全班員が仲間意識を高めながら対等な立場で意思決定や学習活動などを協力しあって効果的に行うため、所属班の決定のプロセスと班単位の実践活動に十分な時間をかけることや班の代表者を置くことが肝要である。所属班については、初期の段階では仮のテーマによる班編成で活動し、その活動により正式なテーマが決定された段階で学習者が改めて所属班を決定する。また、各班の必要に応じて班活動の回数を増減できるようにすることなどである。さらに、代表者の役割は、班の目的達成や維持管理に効果的なリーダーシップを発揮して班活動を支えることや必要に応じて主催者と協議することなどである。 br> |
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参考文献 ・清水英男『趣味教養型と社会参画型を融合させた学習機会の提供事業に関する研究』聖徳大学生涯学習研究紀要11、2013 ・清水英男『創年の社会参画型学習機会の提供事業に関する研究』聖徳大学生涯学習研究紀要7,2009 |
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