登録/更新年月日:2006(平成18)年10月28日 |
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【定義】 青少年が、各種の研修や教育訓練、経験等をとおして、職業意識や職業能力を高めたり、アイデンティティを確立していくこと、あるいは、各種の研修や教育・訓練、経験等をとおして、青少年の職業意識や職業能力を高めたり、アイデンティティを確立していくこと、といった意。 キャリア開発という用語は、アメリカで考案されたCDP(キャリア・ディベロップメント・プログラム)が、昭和30年代後半に我が国にも持ち込まれ広がった人事・労務管理の用語であるが、時代の変遷とともに、多くの分野で使われるようになり、また、近年は、児童生徒から、離職後の高齢者をも含めた幅広い概念としてとらえられる傾向にあり、定義も多様化している。類義の用語も多い。 厚生労働省は、労働者一人一人が、教育訓練を受けたり、仕事をすることを通じて、主体的に自分の能力をレベルアップさせていくことを「キャリア形成」と呼んで、労働者のキャリア形成支援を推進しており、また、文部科学省は、児童生徒一人一人のキャリア発達を支援し、それぞれにふさわしいキャリアを形成していくために必要な意欲・態度や能力を育てる教育を「キャリア教育」と呼び、組織的・系統的なキャリア教育を推進している。これらの用語は同義ではないが、若年者のキャリア形成の支援やキャリア教育の施策には、若者の自立支援という共通の背景があり、青少年のキャリア開発のための施策と考えてよい。 【背景】 青少年のキャリア形成の支援やキャリア教育が必要な背景として、厚生労働省は、若年者の失業率の高い水準での推移、フリーターの増加、 7・5・3現象(問題)といわれる若年者の早期離職傾向の継続、ニートと呼ばれる働く意欲のない若年者の増加、等のため、若年期に必要な技能・知識の蓄積がなされず、将来にわたるキャリア形成に支障が生ずるおそれや、産業や社会を支える人材の育成が図られず、経済成長の制約となるおそれがあることを挙げている。 また、文部科学省の協力者会議は、 (1)新規学卒者に対する求人の著しい減少、(2)求職希望と求人希望との不適合の拡大、(3)勤労観、職業観の未熟さ、(4)職業人としての基礎的資質・能力の低下、(5)身体的な早熟傾向に比して、精神的・社会的自立が遅れる傾向、(6)生産活動や社会性等における未熟さ、(7)若者が職業について考えたり、職業の選択・決定を先送りにするモラトリアム傾向の高まり、(8)進路意識や目的意識が希薄なまま「とりあえず」進学したりする若者の増加、を挙げている。 【施策】 キャリア開発は、個人の各種研修や教育訓練等への自発的な参加、あるいは、労働者であれば、配置転換や昇任・昇格、教育訓練への参加、また、児童生徒であれば、各学校における各教科、道徳、特別活動、総合的な学習の時間等を通じた指導等をとおして進められる。 キャリア開発の中心的内容である職業能力開発については、事業主と労働者双方に対して、キャリア形成促進助成金、教育訓練給付制度、ビジネス・キャリア制度、といった各種支援措置が講じられているが、今日、青少年のキャリア開発が強調されるのは、青少年の自立が大きな課題となっているからであり、そのため、青少年のキャリア開発に係る施策の多くは、政府が推進する「若者自立・挑戦プラン」及び「若者の自立・挑戦のためのアクションプラン」に盛り込まれ、展開されている。 br> |
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参考文献 ・厚生労働省職業能力開発局「キャリア形成を支援する労働市場政策研究会報告書」平成14年7月31日 ・文部科学省初等中等教育局「キャリア教育の推進に関する総合的調査研究協力者会議報告書〜児童生徒一人一人の勤労観、職業観を育てるために〜」平成16年1月28日 ・首相官邸「若者自立・挑戦戦略会議」(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/index/wakamono/) |
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