生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:2006(平成18)年1月27日
 
 

少年期の理解と学習 (しょうねんきのりかいとがくしゅう)

キーワード : 自立心、社会性、友だち関係
斎藤哲瑯(さいとうてつろう)
1.少年期の理解と学習
   
 
 
 
  【定義】
 少年期は、一般的には児童期とほぼ同じに解釈され、児童期は「幼児期と青年期との間に存在し、知的発達が顕著で社会性も次第に発達し集団生活を営みうるようになる時期」とされている。発達心理学などにおいては「児童期」という言葉を使っているが、教育の領域では学校教育制度にあわせた6歳から15歳の小・中学校期を「少年期」としてる。
【特徴】
 この時期は、家庭から学校へ、親から友だちへと生活空間や人間関係が変化していくと同時に著しい身体の成長や性的な違いが見られる。また、人生の基礎づくりとして自立心や社会性などを習得していかなければならない重要かつ大切な時期である。
 この時期にある思春期の特徴としては、
一つは身体的には大人であるが精神的には未熟なところがあり、大人でもない子どもでもない不安定な状況にあること。
二つ目は親よりも仲間を大事に思うようになり、良いことも悪いことも仲間から学ぶことが多くなること。
三つ目は社会の状況が少し見え始めると同時に、インターネットなどから得た情報と現実との狭間で悩む時期であること。
四つ目は背伸びをして大人ぶった行動をとるようになり、社会批判をしたりする年齢であること
などを挙げることができる。
 最近では、心身のアンバランスにストレスが加わって子ども自身も悩み苦しみ、理由もなくコンビニや駅などでたむろしたり、タバコや酒を覚えたり、夜中中騒ぎまくるなどの問題高度に走る少年たちが増えてくるのもこの時期である。
 少年期の6歳から15歳の10年間は、同じ年数であっても大人のになってからの10年間とは全く違う時期である。
【体験学習】
 人は、自然的、社会的、文化的な環境とのかかわり合いの中で自己を形成していくものであり、教育においては、家庭教育、学校教育、社会教育の3領域において自らが学びとっていく必要があると言われている。その意味では、家庭と学校しか知らない今の少年たちには、当然のごとく社会性、創造性、協調性などは育ちにくく、各種の体験不足による弊害があらゆる場面において生じてきているのである。
 このような背景から文部科学省では、地域社会における体験学習に力を入れるため、学校教育法や社会教育法の改正、総合的な学習の時間の導入、子どもの居場所づくりなどに力を注いできている。特に「子どもの居場所づくり」は、そのねらいを
1)心身の安らぎが保証される場
2)成績や肩書きに関係なく一人の人間として認めてもらえる場
3)自分でやりたいことに挑戦できる場
4)本物とふれあえる場
5)失敗が許され継続的に活動できる場
6)年齢を超えて知恵や文化の伝承の場
ということができよう。
 
 
 
  参考文献
・「広辞苑」岩波書店 1991
・「生涯教育について」中央教育審議会答申 1981
 
 
 
 
   



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