登録/更新年月日:2008(平成20)年12月31日 |
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【動向】 泉北ニュータウン学会が設立された背景には、地域に関わるいくつかの課題があり、これを住民の学習力によって解決を目指そうとしたという経緯がある。 人口約15万人が居住する全国有数の新都市である泉北ニュータウンが、都市建設40年を経て、さまざまな面で課題が山積してきたということであり、少子高齢化、近隣センター(小規模商業施設)の機能低下、都市基盤の老朽化、コミュニティの弱体化、犯罪の増加、住民モラルの低下などがあげられる。 そこで福祉、安全、教育、環境、文化、コミュニティなどの観点から、多面的にまちづくりを検討する必要があり、市民・市民団体、研究者・専門家、自治体などが連携・協力して創造的なまちづくりを推し進めるための任意組織として平成18(2006)年に発足したのが泉北ニュータウン学会である。同年5月14日に設立記念フォーラムが開催されている。 平成19(2007)年度末現在の組織をみると、会員は学生会員や賛助会員らによって構成されており、一般市民と研究者を核にした多彩なメンバーであり、会長は研究者である小田章氏(和歌山大学学長)、事務局長は市民活動家である西上孔雄氏(民間企業経営者)となっている。 研究会活動には、防犯部会、福祉部会、教育・青少年サポート部会、コミュニティ部会、歴史文化部会、住環境部会などがあり、継続的な学習活動が営まれている。防犯部会では環境犯罪学の視点からの防犯活動が提起され、福祉部会では高齢者福祉を中心にした現場での実践のあり方を研究しており、教育・青少年サポート部会では異世代交流と地域再生をテーマとした活動を模索しており、コミュニティ部会では「みどりのつどい」を核とした人間関係づくりの実践が研究され、さらに歴史文化部会では泉北ニュータウンづくりや須恵器の里としての歴史研究がテーマとしてあがっている。 このほかの事業面では、行政と連携した市民活動の祭典である「みどりのつどい」の実行委員会を担ったり、「泉北ニュータウン40周年記念」講演会や大阪府立大学と連携したシンポジウムを開催したりしている。 さらに花を植えるなどの幅広いボランタリーな市民活動も進めており、学会とはいうものの、実践的な面が強いという特徴がある。 【課題】 会が誕生して未だ3年弱であり、組織的な面での今後の発展が望まれるが、地域課題について取り組まれた内容については実践活動と結びついて着実に進展している。 しかし、国際的な経済の悪化、環境問題や少子高齢化の問題など、泉北ニュータウン学会が取り組むべき地域課題は山積している。こうした課題に地道に取り組むことができるかどうかが大きな課題であり、そこで地域学会の特性をどのようにして発揮するのかということが問われるであろう。 br> |
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参考文献 |
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