登録/更新年月日:2014(平成26)年12月15日 |
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参加と参画は似て非なる言葉である。参加とは「なかまになること。行事・会合などに加わること」(広辞苑)、参画とは「計画(の立案)に加わること」(広辞苑)と説明される。 参加の場合、個人の主体性や自発性に関係なく、すでに誰かしらによって実施されている活動などに加わり、活動することを指して使われる。これに対して、参画は活動に計画の段階から関わり、主体的に活動することである。 中学生を対象としたボランティア活動は、多くの場合、学校が準備した活動に中学生が参加する形で実施される。これは地域の清掃活動や社会福祉施設への訪問等であり、そこには中学生自身の自主的・自発的な意識が反映されていない場合も少なくない。すなわち、部活動単位での活動や生徒会活動の一環としてのボランティア活動であり、このようなボランティア活動を参加型ボランティア活動と呼んでいる。これに対して、参画型ボランティア活動とは、中学生がさまざまな地域活動や行事において、生徒自身が企画段階から活動に関わり、話合い活動を通して実際の活動を自主的に計画し、活動の準備、当日の運営、片づけ、振り返りという一連の過程が生徒主体で実施されるボランティア活動である。 ボランティア活動は、自らの意思によって、他者や社会に貢献する活動である。ボランティアという言葉が出始めた当初は、ともすれば生活や時間に余裕のある特定の人だけが行うものであると考えられがちであったが、近年、「誰でも、どこでも、いつでも」できることがボランティア活動の特徴になっており、日常の些細な出来事1つをとってもボランティア活動になりうる。中学生は、ボランティア活動を通して、人との関わりを実体験として学び、コミュニケーション能力を高め、集団の一員としての望ましい態度や行動のあり方を身に付けることができる。 参加型のボランティア活動においても中学生は多様な体験を通して自らを成長させる。しかしながら、参画型のボランティア活動は、参加型のボランティア活動で身に付けられる力に加えて、中学生の自主性や主体性を育み、近年、特別活動においても重要な力の1つに位置づけられている話合い活動の力や活動を計画・実行する力を身に付けることが期待できる。ボランティア活動が社会的に認知された今、参画型のボランティア活動が今後ニーズを高めていくことになるだろう。中学生が学校や地域社会で参画型のボランティア活動を実践できる体制をつくることが求められているのである。 br> |
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参考文献 |
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