登録/更新年月日:2009(平成21)年1月8日 |
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【動向】 行政改革からの視点から社会教育事業が検討された場合、一つに社会教育の実施主体である社会教育関係団体について、その事業費補助金の在り方が問われることになり、そこに新たな展開が発生する。 これまでの大阪狭山市における社会教育関係団体に対する事業費補助金交付要綱は、第3条で補助対象となる事業があげている。社会教育の普及啓発、向上または奨励のための事業であることを前提に、1)市民を対象に実施する討論会、講演会、展示会、イベント等の事業、2)市民を対象に実施する社会教育に関する宣伝啓発の事業(機関誌・広報誌の発行,資料の作成配布等)ただし、記念誌の発行を除く、3)その他社会教育の振興に寄与する公共的意義のある事業をいう。 同市が認定する社会教育関係団体とは、婦人会、文化協会、こども会育成連絡協議会、PTA連絡協議会、体育協会、ボーイスカウト2団、ガールスカウト1団の8団体である。 社会教育関係団体事業費補助金と市民公益活動促進補助金の一元化(統合・移管)が平成19年1月31日に社会教育委員の会議の中間報告といった形で提案され、社会教育の首長への事務移管及び補助対象関係団体としての認定廃止があげられている。教育委員会の職務権限に属し、かつ所掌事務である社会教育を首長の職務権限及び所掌事務とすることは、地教行法第23条などにより現行法制上困難であるが、社会教育関係団体の教育面における役割が終了したと見なすことによって、補助対象団体の認定を廃止し、市民公益活動団体(一般的な住民団体)として扱うことが考えられるとしている。 同市における市民公益活動促進補助金と社会教育関係団体事業費補助金とは、補助交付対象団体は異なるが、対象分野は重複するという結論を示し、それゆえに同市内の8つの社会教育関係団体の事業費補助金について市民公益活動促進補助金との一元化を図るべきであるという提案である。こうした改革案の背景に、社会教育関係団体の財政的自立を求める考え方があり、住民自治の実現を目的とした強い住民意思が働いている。 また平成17(2005)年10月の中央教育審議会答申が教育委員会制度の見直し、同年12月に地方制度調査会から答申が出され、自治体の首長と教育委員会との関係の新たな展開という理解が広がっていることも、こうした考え方が出てきた背景にある。 このような社会教育関係団体に対する補助金を巡る動向は、大阪狭山市にとどまらず、他の市町でも同様の検討が進んでいる。社会教育関係団体において、自ら公教育を担っているという意識が希薄化しているという現状もある。 社会教育関係団体が市民活動団体の一員として市民協働型補助金交付を受けるという流れは、憲法第89条でいうところの「教育の事業」に該当しない事業を実施する団体で、自主性を尊重される「公の支配に属さない団体」として位置づけられてきたのであるが、これを超えた新しい性格を持った団体として理解されねばならない時代を迎えたと考えられる。 br> |
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参考文献 |
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