登録/更新年月日:2005(平成17)年9月14日 |
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アメリカの技術予備教育は、青年期の進路指導と深く関わっており、テク・プレップ(Tech-Prep)と称され、総合制中等教育機関と中等後教育機関(主に短期大学)との連携組織(コンソーシアム)を指して呼ばれる。 この構想の起源は、1980年代初頭の南部地域教育委員会(SREB)が主張したハイスクール最後の2ヵ年と中等後教育機関(短大)の2ヵ年とを結びつける2+2の4ヵ年のプログラムと全米職業教育委員会が提唱したテク・プレップ/準学士号に求められる。パーネル、D.は、1985年にこれらの構想を取り入れ、当時の総合制ハイスクールの多数の生徒が在籍する進学も就職も保証しない焦点の定まらない一般教育コースを廃止して、4ヵ年の技術予備教育の準学士課程を新たに設け、従来カレッジ進学の学士課程及び質的に低いとされた職業準備課程の資格付与の質的な強化を図り、三系統で構成される総合制ハイスクールを提唱した。この構想が、連邦政府によって大きく取り入れられ、1984年のカール・D・パーキンズ法の制定によって学校教育段階における職業教育の在り方を大きく変えるために、「不利な立場におかれた者」、特に低所得世帯の家族、移民、英語の能力の不自由な者、中等教育からの中退者及びその予備軍等に対する総合的なキャリア・ガイダンス・カウンセリング・プログラムに大幅な連邦補助金を投入した。1990年にはこの法律は、カール・D・パーキンズ職業応用テクノロジー法修正法のタイトルIIIのパートEで「テク・プレップ教育法」によってテク・プレップが、法制化されて今日に至っている。 テク・プレップは、教育法にも定義されているように、「中等教育と中等後教育との両方のプログラムを結びつけるもの」であり、二重在籍、二重単位・資格の認定を可能にする制度である。この制度にはこれまで特別進級や国際バカロレア等の試験準備課程、学校に基礎をおく上級課程、大学に併設する中等教育課程及びキャリア準備課程の4つのタイプが発展し、テク・プレップはキャリア準備課程の一形式とされている。 テク・プレップの実施状況に関するいくつかの全国調査が見られるが、1995年調査によると、すべての学区の約70パーセントに1,000以上のテク・プレツプ・コンソーシアムが設けられ、それに参加する生徒数は737,000人で、全ハイスクール生徒の8.4パーセントに相当する。一つのコンソーシアムの平均的な規模は、短期大学1校と中等学校5校以上の組織となっている。1998年調査によると、特定のキャリアに焦点を当てた高度に構造化された総合的なカリキュラムを持つもの(10パーセント)、伝統的な職業プログラムの向上と補足をするもの(50)及び応用的なアカデミックな教科やキャリア・ガイダンスといったテク・プレップの特定の要素を導入するもの(40)の3つのモデルに分類できる。 2001年の8件のコンソーシアムの調査によると、フォーマルな接続関係協定を結んでいること、コア・カリキュラムや2+2のアプローチの採用、アカデミックな教科と職業教科の統合による厳格な教授指導、仕事場での実習や理論と実践の結びつき、すべての生徒の進学と就学の機会の保障、大学進学と就職の保証の6つを共通な特色としている。 br> |
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参考文献 Parnell.D.:The Neglected Majority,The Community College Pr.,1989 Carl D.Perkins Vocational & Applied Technology Act,Amendments of 1990 Silverberg,M.K.& Hershey,A.M.:The Emergence of Tech-Prep at the State & Local Levels,Mathematica Policy Research,Inc.199 |
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