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登録/更新年月日:2025年10月6日
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1.プロジェクトの背景 生徒・学生に身に付けさせたい資質・能力を市民性(シティズンシップ)の涵養におき、その手法を米国生まれのサービス・ラーニング(社会貢献学習、以下、SL)に求めた。SLプロジェクトを効果的かつ持続的に展開するためには基盤整備が重要であり、生徒・学生と自治体・地域を結ぶ中間団体が不可欠となる。地域における地(知)の拠点たる大学が主体的にSLセンターとして連携・協働のマネジメントする試みが、地域学「折尾学」プロジェクトである。 |
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2.地域学「折尾学」プロジェクト 北九州市に所在する学園都市“折尾”をテーマにした地域学「折尾学」は、2020年、九州共立大学(以下、本学)スポーツ学部「山田研究室」所属ゼミ生のボランティア活動として始まる。社会教育主事任用資格講座受講生が、カリキュラム内容を活用した地域への社会貢献を通して学びを深めていく活動である。「折尾学」で取り上げる内容は、折尾の過去・現在・未来である。これまで折尾の歴史、人物、産業、教育、未来計画等をテーマとしてきた。以上の成果は、北九州市折尾まちづくり記念館での特別展示や「折尾学」冊子(I〜VII)として整理されており、住民の生涯学習の教材としても活用されている。活動にあたっては、本学との包括的地域連携協定先である北九州市、折尾郷土史会、折尾商業連合会などのサポートも得ている。活動基盤として、2022年に北九州市折尾まちづくり記念館を拠点とし、2023年には折尾地区学術連絡協議会(3大学、2短期大学、4高校)を設立した。多くの生徒・学生が関わる地域学として拡大発展している。 |
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(参考文献) ・山田明『大学と自治体の地域連携事例集3〜大学生による地域活性化プロジェクト〜』弦書房、2023。 |
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3.プロジェクト実践における基盤設備とこれからの見通し 大学と自治体の連携・協働は、効果的かつ持続的なSLプロジェクトに有効である。お互いが協議し文書化されること、いわゆる「包括的地域連携協定」が締結されればスムーズなマネジメントが期待できる。自治体と大学には共通のメリットがある。自治体は地域課題の解決、行政施策の効率化、ボランティア(新しい公共)の獲得、大学は使命として求められている社会貢献、学生の学ぶ機会の提供である。自治体と大学の連携・協働を中心に、高校・大学、住民、地域組織、市民活動団体等の組織化(地域連携)を目指している。将来的に学生に身に付けさせたい市民性として、リーダーシップを取りあげたい。見通しのない現代社会を切り拓いていく力として必要とされるが、日本では涵養が難しい資質項目である。高校生については、自己肯定感を検討している。社会を生き抜く力の基礎として重要である。これらの取り組みの研究成果を、SLにおける資質・能力のモデルプランとして構築していく。基盤整備については、地域の組織(住民)との交流促進である。生徒・学生と住民が連携・協働を深め、地域活性化の進展を求めて自治体とも協働してシステム化を推進していきたい。 |
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