登録/更新年月日:2006(平成18)年10月30日 |
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【定義等】 学社融合は、学校教育と社会教育を一つにして新たな教育形態を創出し、機能を共有化していく概念である。オフラインとオンラインの融合活動があるが、高度情報通信社会の進展にともない、博物館が所蔵する資料をどのように教材とするかが課題となっている。 【説明】 博物館が学校教育の教材の宝庫であるという認識は以前からもあった。そのため熱心な教員は年間教育計画の中に博物館の見学や貸し出し標本を利用してきた。しかし、それは近くに博物館があることや博物館が魅力のあるもので、学校が利用していることを真に望んでいなければ難しかった。学芸員が研究に埋没していては、学校の子どもへの教育サービスが本来業務というレベルに達し得るはずもなかった。社会的に非難されない程度の付き合いとしての業務と考えていた。そこに欧米の博物館の教育サービスやボランティア導入、参加体験型の展示など博物館を開いていく情報がもたらされた。 さらに、学社融合の考え方が普及し、博物館と学校がお互いの本来活動であるとの認識で「博物館の見学」「博物館教材の開発」「出張授業」「移動博物館」「教育普及活動に正規の授業として学校が参加」を行うようになった。これらは、通常オフラインという従来の対面による活動であるため地理的・時間的な制約を受ける。 そこで、情報通信技術を活用した試みが各地で起こった。博物館の一つである動物園が数校の小中学校とテレビ会議システムを活用して遠隔授業を行った。また、通信を教員と学芸員が共同で作成し、インターネット上に公開しているものも見られる。さらに、博物館が所有する資料をデジタルアーカイブし、学校教育に活用しやすいようにメタデータを付けようとする取り組みも進められている。 また、博物館で毎日開催されている講座やイベントを映像化する取り組みや学校が博物館を利用する事前、事後のための講座を開設することも検討されている。 このような従来からのオフラインの活動をオンライン化すれば日常的な学校教育活動のなかに博物館活動を位置づけられる。その結果、日本や地域の歴史、民俗、自然などをビジュアルに理解できる授業展開が容易となる。国際交流で日本とはどのような国であるのか、あなたの生まれた地域はどのような文化、歴史を大切にしているのかを問われた時にも具体的に応えられる若者を多くすることができる。 さらには、博物館の著作権等の処理が行われ、自由利用マークを付すなどの配慮がなされれば、児童・生徒・学生が自由に改変でき、授業の発表資料に活用できる貴重な教材ともなり得る。 しかし、権利処理の必要性を教員と学芸員双方が持ち合わせていないことが多いため、折角予算と時間を費やして構築したデジタルデータは公開できないものも存在する。双方の研修の充実が待たれる。 br> |
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参考文献 神戸市立博物館等のホームページ |
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