生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:2006(平成18)年11月13日
 
 

岐阜県の生涯学習支援の情報化 (ぎふけんのしょうがいがくしゅうしえんのじょうほうか)

キーワード : 生涯学習情報提供システム、岐阜県、ホストコンピュータ、情報提供機関、案内情報
久世均(くぜひとし)
2.生涯学習情報提供の課題
  
 
 
 
   情報提供事業は,官民,提供媒体,形態に関わりなく,利用者が増えれば増えるほど発生源から積極的な情報の提供がなされ,その結果として,充実した情報がさらに利用者をつなぎとめるという構造を持っている。その情報チャンネルを通じて人々が集まってくるという実績がはっきりとしている情報提供機関には,積極的に情報が寄せられるようになる。従って,豊富で,新鮮な,そして正確な情報が命である。
 情報提供機関は,地域住民の常識として「あそこに問い合わせれば(あれを見れば)情報が得られる」というほどの知名度にならなければならない。そこで問題となるのは,じっと待っていても情報がどんどん飛び込んでくるようになるまでには,誰かが実際に情報を巷から集めなければならないということである。「情報が集まる」状態になるには,「情報を集める」努力と工夫,そして接点となる人間関係の構築が先行し,時間をかけて「集まる」状態にしていくことが必要である。
 対象地域の住民のうち,そのシステムを知っていて,必要に応じて利用すべき場所や方法まで知っている人の割合は1%にも満たない場合が多いと考えられる。このような状態では情報提供事業の発展はない。
 システムを立ち上げてから比較的短期間で知名度が上がり,情報が「集まる」状態になるためには,立ち上げ以前の情報収集の努力と,直後からの更新と修正への執念が重要である。
 「市町村におけるオンライン入力化」は重要な課題の一つである。しかし,担当職員の負担増や入力作業の効率の問題だけではなく,端末を置いた施設自体が情報の集積・発信機能を充分もっていないという現状も考慮されていなければならない。市町村はパイプ役として県の生涯学習センターに情報をもれなく送り,センターの業務として入力・整理するという形態も考慮されてよい。市町村がなかなかもてない集積・発信機能を県が肩代わりすることも必要ではある。いずれにしても,情報を提供する側にとっても,何か見返りがあれば情報を出しやすい。「情報収集経路の確立」という問題は,確実にそこに情報があるという施設,機関,問い合わせ先を把握する問題である。
 各機関・施設における学習情報の分野ごとの更新周期については,約3年の周期で更新を考えている。
 しかし,学習情報の更新に関する課題では,変動が大きい団体・グループ情報は,更新に手間と時間がかかり,どこでも問題となっている。
 また、指導者登録も問題をはらんでいる。登録されてもお呼びがかからない、というのもその一つである。比較的古くから県域にネットを組んだ県では,端末側の町でも県のセンターからの要望に応じて,担当職員が個人的に手みやげをもってお願いに行き登録を承認してはもらったものの,1年ほど経って,「何のお呼びもかからないが,どうなっているのか」と尋ねられた例もある。指導者養成講座の卒業者が登録され,その数が増えても,有効に活用されていないという問題もある。お呼びがかからないのに更新のための照会だけが繰り返されると,当の「指導者」は決して快く思わないと考えられる。
 このように,一般に案内情報といわれる情報には,以上のように様々な問題をはらんでいる。
 
 
 
  参考文献
 
 
 
 
  



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