生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:2006(平成18)年11月11日
 
 

岐阜県の生涯学習推進 (ぎふけんのしょうがいがくしゅうすいしん)

キーワード : 生涯学習審議会、岐阜県、生涯学習のまちづくり、生涯学習社会、生涯学習推進体制
久世均(くぜひとし)
1.岐阜県生涯学習審議会
   
 
 
 
   岐阜県における生涯学習に関わる体制の整備は、平成4(1992)年に岐阜県の生涯学習指針『ほほえみライフ』を策定し、平成6(1994)年には「岐阜県生涯学習センター」が、また平成7(1995)年には「岐阜県図書館」がそれぞれ開設され、生涯学習のための基盤が着々と整備されてきた。一方、各市町村では、「生涯学習のまちづくり」が推進され、生涯学習社会の推進体制が整備されてきた。 
 また、平成7(1995)年には岐阜県生涯学習審議会を設置し、平成8(1996)年度には、岐阜県生涯学習推進本部を設置した。この推進本部は「これからの社会を展望した岐阜県における生涯学習の振興方策について」を県審議会に対して諮問し、平成10(1998)年3月に同審議会より次のような5つの基本的視点の答申を受けた。
(1)生涯学習推進体制の整備
 生涯学習を推進していくためには、指導者・コーディネーターの養成、学習プログラムの開発などが、あらゆる分野にわたって必要です。そのためには、生涯学習を総合行政としてとらえ、県・市町村においても、全庁的に推進していく必要があります。これまでの生涯学習の成果を生かしながら、生涯学習総合推進事業として、教育委員会だけではなく関係部局との連携による生涯学習の推進を行えば、より高い効果を挙げることができます。
(2)ライフステージに応じた学習機会の充実
 生涯にわたり学び続け、豊かで生きがいのある人生を築いていくためには、人生のそれぞれの段階に応じた生涯学習機会を、系統的に提供し充実させていくことが必要です。また、地域社会で子どもを育てていく力が失われつつある現状の中では、生涯学習を子育てという視点からとらえ、人生のそれぞれの段階の中に子育てへの関わりを取り入れ、充実させていくことも緊急の課題です。
(3)多様な学習機会の充実
 生涯学習は学習者が主体的に学習することが基本となります。そのために行政機関は、リカレント、ボランティア、生涯スポーツ、文化活動、男女共同参画学習など、学習者を主役とする、多様な学習機会の提供を行い、学習機会の充実を図っていくことが必要です。
(4)学習情報の提供と学習相談体制の整備充実
 県民の学習活動を支援していくため、豊富な学習情報を必要に応じて、多様な手だてで提供する必要があります。また、学習相談体制の整備充実が求められます。
(5)学習成果を地域社会等で活かすための具体的施策
 生涯学習によって得られた学習成果を社会に還元するために、学習評価の充実や還元する機会の確保等が必要です。また、地域社会において、学習の成果を還元するための仕組みや、受け入れのための環境づくり等を整備していくことが求められます。
 
 
 
  参考文献
・岐阜県生涯学習審議会答申「これからの社会を展望した岐阜県における生涯学習の振興方策について」平成10年3月
 
 
 
 
   



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