登録/更新年月日:2014(平成26)年11月10日 |
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これからの日本の社会は、グローバル化、情報化、高齢化など大きな変化が予想されており、このような変化に対応できる人材育成が急務の課題となってきている。既存の人材育成のシステムは、既存の社会に対応できる人材育成を行うことを主目的にされているために、これからの社会の変革に柔軟に対応できる人材育成を目指すためには、新しい教育システムを創出していく必要がある。そのために、大学の学士課程教育も、時代のニーズに対応できる人材育成をするための教育改革を、どのような方向性で進めるべきかという課題が各大学に課せられている。社会の問題の現状の問題分析にとどまらず、広い視野から物事を考える視座の育成は、これからの社会に必要な人材育成にとって不可欠である。そのためには、大学において教養教育の位置づけを見直して、改革を進めていくことが必要である。 教養教育の理念・目的について「新しい時代における教養教育のありかたについて」(中教審答申)では、「変化の激しい社会にあって,地球規模の視野,歴史的な視点,多元的な視点で物事を考え,未知の事態や新しい状況に的確に対応していく力」として総括しており、「個人が生涯にわたって新しい知識を獲得し、それを統合していく力」を目指すとしている。このように、教養教育は生涯教育との関連性が高く、本来年代や専門分野と関係なく、生涯続けることに意義があると考えられる。また、「学士課程教育の構築に向けて」(中教審答申)では、「何を教えるか」よりも「何ができるようになるか」を重視して、学問の基本的な知識を獲得するだけでなく,知識の活用能力や創造性,生涯を通じて学び続ける基礎的な能力を培うことを重視して、多様化・複雑化する課題に対応し得る人材育成を重視している。 このように、大学における教養教育を、生涯学習の導入として、生涯にわたり変化する社会に対応するために自ら教養を身につける自立力を身につけることを目標として掲げることにより、大学教養教育と生涯教育に対する体系化を図りながら、大学教養教育の意義を明確化することにつながる。グローバル化社会に対応する人材育成ための教育改革が必要とされている中で、今後の変革に対応できる考え方の基礎を作ることが必要である。そのために、大学の教養教育の重要な目標として、生涯にわたって社会を俯瞰して見るための、考え方を身につけることを掲げることにより、生涯学習の意義も同時に学ぶことができる。このような教養教育は、大学卒業後における生涯教育と連携して、グローバル化社会を考えるための体系化した学びの入門科目と位置付けることが可能となる。大学における教養教育を生涯学習の導入として位置づけることは、学士課程教育の中での教養教育の役割を明確化すると共に、生涯学習社会の充実に向けて地域社会の知的基盤を強化することにつながると期待される。 br> |
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参考文献 |
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