登録/更新年月日:2005(平成17)年9月14日 |
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【定義】 日本国内における外国人を支援することに絞って、定義したい。日本国内に住むか、あるいは短期滞在の外国人に対して、無償又は廉価で、生涯学習の観点も含めて行われるボランティア活動である。ボランティアの定義については「ボランティア」の項目を参照。 【説明】 主なものを分類すると、 (1)日本語ボランティア活動:日本語獲得を支援するボランティア活動の略称、 (2)ホームスティボランティア活動:ホームステイ受け入れのためのボランティア活動の略称、 (3)通訳ボランティア活動、 (4)その他 となる。 (1)日本語ボランティア活動は、外国人登録者数の増加に伴い必要となってきた。研究所や大学等ではそれぞれの機関が日本語指導のプログラムを持っているところも多いが、家族のプログラムまで用意しているところは少ない。その上帰国子女、労働力の担い手として外国人が増加傾向にある今日、当人はもとより、その家族が日本語が理解できないと、地域で、例えば、ゴミ処理などの日常的なことでトラブルの原因となることが多い。さらに、国際結婚により、海外からの連れ合いの増加もみられるようになってきている。これらの課題はボランティアの力無しには、解決できなくなってきている。自治体によっては、ボランティア養成や日本語教室の開設に力を入れているところもあるが、ボランティアが積極的に関わっている地域も多い。 (2)ホームステイボランティア活動:最初は生活に余裕のある人々、海外でホームステイを経験して、その感動を元に始めるなど、かぎられた人のボランティアであった。しかし今日では家庭でできる身近な国際交流活動として、様々な人々が参加するようになってきている。この場合も自治体によっては、制度として持ち、さらに姉妹都市提携や、国際会議などのコンベンションの誘致の一環としてこの活動を活用しているところも出てきている。 (3)通訳ボランティア活動は自らの語学力を磨くことや、国際交流の一環として、始められる場合が多い。なかには制度化している自治体もある。 (4)その他 留学生や外国人訪問者が観光のため、その情報を必用とするときなど、通訳やホームステイなどのボランティアが重複してサービスされることもある。また、外国人に伝統的な日本文化(茶道、華道、着付け、書道、折り紙など)を紹介したり、体験してもらうこともある。 これら外国人への支援ボランティアの共通項は、サービスのためには、必ず自らの学習活動が必要で、活動することで、さらに学習の必要性を感じる。またこれらの学習の成果は外国人にとっても役立ち、双方の共生の下、住みよい街となり、生涯学習社会の一翼を担っていくことができるのである。 課題としては、日本語ボランティアや、文化紹介など学習場所の必用なボランティア活動の場合、その活動場所の確保に苦労しているグループも多い。自治体によっては活動場所や、ボランティア養成にかなりの助成をしている自治体もあるが、自力で活動しているグループも多い。ボランティア活動は市民活動として必要である、と言う通念ができているボランティア先進国に比較して、阪神淡路大震災がボランティア元年と言われる日本において、ボランティア活動への社会的通念の未熟さ、企業献金に対する税制の違いなどもあり、これから解決されなければならない課題もある。 br> |
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参考文献 日本生涯教育学会論集20.1999年度 日本生涯教育学会(FAX 03-3555-5671) 野田豊子:ボランティアと生涯学習―外国人への日本語支援活動 「地域国際化協会ダイレクトリー 地域国際化連絡協議会(FAX 03-3591-5346) 平成2年〜平成16年版 URL:社団法人 日本語普及協会(AJALT)−地域日本語支援ニュース「こだま」 |
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