登録/更新年月日:2006(平成18)年1月27日 |
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センゲのモデルに対し、ワトキンスらは、学習組織の創造プログラムとしてのアクション・ラーニングのモデルを提唱する。 アクション・ラーニングには、アクション・リサーチ、アクション・リフレクション、アクション・サイエンスの3つの段階がある。単位としての行為(アクション)を形作る「関心」、「意志」、「能力」の三つを学習の基礎として、アクション・ラーニングは行われる。アクション・リサーチでは、行為を伝えるためにデータを用いる。学習者が協同でデータを収集し、分析するともっと効果的な行為ができるようになる。アクション(行為)とリサーチ(調査)をつなぐのである。アクション・リフレクション学習では、経験からどうやって学ぶかを学習し、より効果的な行為ができるようになる。行為しながらの学習を学ぶ。アクション・サイエンスでは、自分の経験を理解し、学習のパターン、メタ学習を理解する。自分の行動を科学的体系的に捉える学習である。この3段階を経て、個人が他者とのアクション・ラーニングの中で行動の原則を変え、知識や態度を変えていく。 これはあくまで学習者個人に焦点をおいたプログラムである。 同じアクション・ラーニングのモデルでも、ガービンは、次の5つを学習する組織かそうでないかの判別基準としている。 1)組織内で学習上の課題が明確にされているか。 2)組織が嫌な情報にも耳を傾けているか。 3)同じ失敗を繰り返さないようにしているか。 4)中心人物の離脱により、不可欠な知識がなくならないか。 5)組織が自らの知識に基づいて行動しているか。 これらの検証後、組織が情報収集を行い、経験学習を重ね、実験を行って組織学習を行った後、再び個人学習へと戻るモデルを彼は提唱している。 この他にも、学習する組織には、多様な定義やモデルが展開されている。また、個人の学習、チームの学習、組織の学習という3つのステージでの学習活動を考えた時、極端なモデルとしての学習する組織には、組織の行為を変える学習と個人の学習能力を強化する学習に力点をおく二つのタイプがある。さらに、他の学習する組織に関する研究では、組織を越えた社会との関係で組織が学ぶという組織内学習と組織間学習の二つのモデルもある。 br> |
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参考文献 ・K.E..ワトキンス・V.J.マーシック『「学習する組織」をつくる』神田良・岩崎尚訳、日本能率協会、1995 ・D.A.ガービン『アクション・ラーニング』沢崎冬日、ダイヤモンド、2002 ・立田慶裕「知識を創る学習」赤尾勝己編『生涯学習理論を学ぶ人のために』世界思想社、2004 |
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