登録/更新年月日:2009(平成21)年5月29日 |
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【課題】 今の子どもたちの日常生活は、主に「家庭」、「学校」、「塾」、「コンビニやゲームセンター」などの屋内に限られ、歓声をあげながら群れになって屋外を走り回る姿などは、ほとんど見かけなくなった。 大人であるサラリーマンの日常生活はといえば、朝起き、顔を洗い、食事を済ませて会社に行く。仕事が終わると飲み屋に行き、その日の憂さ晴らしをして電車に乗って帰宅するといったパターンである。子どもたちは学校に行き、授業が終わると塾へ直行と、会社が学校に、飲み屋が塾に変わるだけで親子の生活パターンは全くといっていいほど同じである。この間を移動するだけがわずかな屋外行動といえるのである。 これでは、良き人間関係、創造性、社会性などは育たないし、さらには本物体験や社会経験不足が、感性の貧しさと結びついているのである。 【説明】 平成19(2007)年に行った小中学生調査(1都5県2,693名)から、「遊び仲間」、「遊び時間」、「遊び空間」の「3つの間」をとおして子どもたちの日常生活をみてみたい。 先ず、「普段の遊び仲間」については、「同じクラスの子」79.7%(小学5年生87.0%、中学2年生74.7%)、「違うクラスの子」64.5%(以下同じく63.2%、65.4%)、「クラブや部活で一緒の子」43.2%(12.5%、64.1%)、「近所の子」18.8%(32.6%、9.5%)と答え、子どもたちの多くは同じクラスの子としか遊んでいないのである。 次に「屋外での遊び時間」であるが、「ほとんど遊ばない」30.2%(小学生14.8%、中学生40.6%)、遊んだとしても「1時間未満」23.3%(27.3%、20.6%)、「1〜2時間くらい」23.3%(32.6%、17.1%)、「2〜3時間くらい」14.3%(17.1%、12.5%)、「3時間以上」8.8%(8.2%、9.3%)と、屋外遊びがいかに少ないかがわかる。 さらに「普段の遊び空間」のベスト5は、「友だちの家」61.2%(66.5%、57.2%)、「自分の家」53.7%(65.0%、45.4%)、「公園」41.8%(56.7%、30.7%)、「ゲームセンター」16.3%(2.8%、26.4%)、「商店街やデパートなど」17.3%(3.2%、27.8%)などと答える。「公園」が全体の4割を超えているものの、遊びの空間(場所)が、自宅、ゲームセンター、デパートなどの屋内に限られていることがわかる。 最近、社会に出ることへの不安や人間関係に悩む子どもが増えつつあるが、このような限定された生活環境や断片的な詰め込み式の知識中心の教育環境が少なからず影響していることは間違いなかろう。学校では分かる授業への努力と併せて、子どもたちが興味や関心を持って取り組めるような本物体験の機会と場が、もっと日常的に提供されるように真剣に検討されるべきではなかろうか。 br> |
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参考文献 ・ 「子どもたちの日常行動や親子関係、各種体験等に関する調査」 川村学園女子大学子ども研究会:平成19年6・7月調査 |
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