登録/更新年月日:2009(平成21)年8月31日 |
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アメリカ図書館協会の公共図書館部会(Division of Public Libraries)は、1944年に設立され、1959年に公共図書館協会(Public Library Association:略称PLA)に変更された。公共図書館部会(後のPLA)は、公共図書館の基準策定に取り組み、1956年の『公共図書館サービス(Public Library Service: A Guide to Evaluation with Minimum Standards)』、および、1966年の『公共図書館システムの最低基準(Minimum Standards for Public library Systems)』を刊行した。これらの文書では、公共図書館の画一的な全国基準が設定されていた。 しかし、1970年代後半以降、アメリカ図書館協会の公共図書館協会(PLA)は、このような全国基準の策定をやめ、個々の図書館が地域社会を調査し、コミュニティのニーズにあった目標を立て、目標の達成計画を策定・実施・評価するマニュアルを提供するようになった。公共図書館発展プログラム(Public Library Development Program:略称PLDP)と呼ばれるPLAのプロジェクトの中で、1987年に刊行された『公共図書館のサービス計画と役割設定:選択肢と手順のマニュアル(Planning & Role Setting for Public Libraries: A Manual of Options and Procedures)』は、重要な文書である。 『公共図書館のサービス計画と役割設定:選択肢と手順のマニュアル』は、8種類の公共図書館の役割モデルを提示している。各図書館は、8種類の役割モデルの中から自館に適したものを適宜選択することによって、達成目標を明確にし、効果的な計画策定ができるようになる。8種類の役割モデルは、 (1)コミュニティ活動センター (2)コミュニティ情報センター (3)正規教育支援センター (4)自主的学習センター (5)人気があり利用の多い資料の図書館 (6)小学校入学前児童の学習への扉 (7)レファレンス図書館 (8)研究センター である。 1998年に刊行された『成果のための計画:公共図書館転換過程(Planning for Results: A Public Library Transformation Process)』では、8種類の役割モデルは拡張され、コミュニティのニーズに対する13の「図書館の対応(service responses)」となった。13種類の「図書館の対応」は、 (1)基礎的リテラシー (2)ビジネスおよび職業情報 (3)コモンズ (4)コミュニティの相談窓口 (5)消費者情報 (6)文化への意識 (7)最近の話題と新刊書 (8)正規学習支援 (9)一般的情報 (10)政府情報 (11)情報リテラシー (12)生涯学習 (13)地方史および系図調査 である。 日本の公共図書館では、課題解決支援機能の充実、専門的な情報提供の必要性が指摘されており、公共図書館の役割モデルは示唆に富んでいる。 br> 添付資料:アメリカの公共図書館の役割モデル |
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参考文献 ・McCook, Kathleen de la Pena.『アメリカ公立図書館職入門』田口暎子ほか訳.京都大学図書館情報学研究会,2008.3,xvii,445p. ・これからの図書館の在り方検討協力者会議『これからの図書館像:地域を支える情報拠点をめざして:報告』2006.3,[文部科学省],94p. http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/18/04/06032701/009.pdf (参照2009-08-31) |
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