登録/更新年月日:2006(平成18)年1月27日 |
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【字義】 地方分権の基本的な理念は、国と地方公共団体の役割分担を明確にし、地方公共団体の自主性及び自立性を高めること、そして個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現を図ることであるといえる。 【説明】 地方公共団体が自主性や自立性を高めることは、住民に身近な行政は住民に身近な地方公共団体において処理するとの観点から行われることであり、地方公共団体は、自己決定・自己責任の自由の領域(団体自治)の拡充とともに、地域住民との関係を改善して、地域住民による自己決定・自己責任の自由の領域(住民自治)の拡充を図ることが求められる。具体的には、いわゆる地方分権一括法(平成12年4月施行)により、機関委任事務の廃止、国の関与の見直し、必置規制の見直し等が行われ、自己決定・自己責任の領域が制度上整うとともに、一方で地方公共団体は、地域住民に対して情報公開を行い透明性を高め説明責任を果たすとともに、行政の政策決定過程に住民の積極的な参画を求めていく必要がある。 このように制度設計が整備される一方で、住民の側にも自立した市民としての役割が一層求められることとなる。“行政依存意識からの脱却”ということがこれまで各種の審議会答申等取り上げられているが、地方分権推進委員会の最終報告(平成13年6月)にある「自己決定・自己責任の原理に基づく分権型社会を創造していくためには、住民みずからの公共心の覚醒が求められる」との指摘は、まさにこのことを示したものである。 ところで、生涯学習審議会答申「学習の成果を幅広く生かす」(平成11年6月)では、生涯学習の成果を地域社会に生かすことが活力ある地域社会に必要であることを指摘し、 a.生涯学習が盛んであること自体が地域が活性化しているか否かを示す指標になること b.いわゆる現代的課題解決のためには、行政の対応だけではなく住民等とのパートナーシップが必要である、そのためにも生涯学習の役割は大きいこと c.まちづくりのためのリーダー・支援者の養成が課題となっており、生涯学習の役割が大きく認識されていること d.地域の教育力の低下が危惧され、地域ぐるみでの生涯学習の推進が有効であること をあげ生涯学習の重要性を説いている。 本答申に先だつこと1年前に生涯学習審議会は、地方分権の流れの中で今後の社会教育行政のあり方について答申した(平成10年9月)。答申にも書かれているとおり、社会教育活動が生涯学習活動の中心的な位置を占めていることから、社会教育行政は生涯学習社会の構築を目指して、その中核的な役割を果たしていかなければならない。その意味では、学習成果を幅広く地域社会の発展のために生かす方策を社会教育行政の中心におくことで、地方分権推進のために覚醒を求められた地域住民が活動の場面に登場してくることになる。生涯学習によって得た成果を地域活性化のための活動に生かし、その活動を通して認識した新たな課題を解決するためにさらに学習を重ね、次のステージの活動につなげていくという生涯学習と地域活動との“連鎖”により、地域社会がより充実したものになることが期待される。 br> |
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参考文献 ・ 地方分権推進委員会最終報告− 分権型社会の創造:その道筋 −(平成13年6月14日) ・ 生涯学習審議会答申「学習の成果を幅広く生かす−生涯学習の成果を生かすための方策について−」(平成11年6月9日) ・ 生涯学習審議会答申「社会の変化に対応した今後の社会教育行政の在り方について」(平成10年9月17日) ・ 坂本登編著「新社会教育委員手帳」日常出版 平成17年 |
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