登録/更新年月日:2006(平成18)年1月27日 |
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【定義】 世代間交流とは、世代の異なる人が相互に交流し、互いの生活文化や価値観の理解を深めるために行われる活動のことである。人間は、生涯を通して家庭、学校、地域社会や職場等で行われる様々な営みから自分づくりを行う。これらの生涯学習活動における世代間の交流活動は、互いに持っている能力や知識・技能などの交流・継承、深化・発展に大きな学習効果をもたらすものと期待できる。 【説明】 子どもたちには、変化の激しい社会で自立していくために必要な「生きる力」の習得が求められている。そのため、家庭や学校だけではなく地域社会の教育資源を活用した世代間交流活動は極めて重要な役割を果たすことになる。特に、生活能力や職業観などは、豊富な知恵や技を持つ親世代や高齢世代から学ぶことが多い。また、新世代や高齢世代とともに行う自然体験活動や奉仕体験活動などからは、厳しさ、生命の大切さや社会の一員としての在り方などを学ぶとともに、判断力や基本的生活習慣などを身に付け、他人への思いやりや感謝の心など、子どもたちの豊かな人間性が育まれる。 【動向】 平成8(1996)年7月19日の中央教育審議会第一次答申「21世紀を展望した我が国の教育の在り方」は、「ゆとり」の中で子どもたちが、豊かな人間性、価値あるものを大切にする「生きる力」を育んでいくことが大切であるとした。「生きる力」とは、自分で課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動できる能力、また、他人と協調し他人を思いやる心や感動する心など豊かな人間性とたくましく生きるための健康や体力を備えるものとした。さらに「生きる力」を育むための方策の視点として、1)学校、家庭、地域社会の連携、2)子どもたちの生活体験・自然体験等の機会提供、3)生きる力を重視した学校教育の展開、4)子どもと社会全体の「ゆとり」の確保などをあげている。 平成10(1998)年6月30日の中央教育審議会答申「新しい時代を拓く心を育てるために」は、子どもたちが創造的で活力に満ちた国をつくる営みや地球規模の課題に取り組み、世界の中で信頼される日本人として育つよう、社会全体で子どもたちの「生きる力」を育むことが大切であるとした。「生きる力」の核となる人間性としては、ア)美しいものや自然に感動する心、イ)正義感や公正さを重んじる心、ウ)生命を大切にして人権を尊重する心、エ)他人を思いやる心、オ)他者との共生や異質なものへの寛容な精神などがあげられ、少年期における体験学習の重要性が謳われた。この「生きる力」を育てる学習活動において世代間交流活動が担う役割には大きいものがある。 【実践事例】 北海道長沼町は計画的に世代間交流活動に取り組んでいる。小中学校では校区内の老人クラブと連携し総合的な学習の一つとして昔の遊びやそば打ち、米の脱穀作業等の体験学習を行っている。また、町青年団体協議会は町内の子どもたちを 対象に「おもちゃづくりの集い」「雪あそびの集い」を実施している。さらに、高齢者学級は町内の小中学校や保育園と連携し、ゲートボール、しめ縄づくり、舞踊発表会等を実施している。子どもたちは高齢者の生活経験から昔の生活文化や働くことの意義などを学び、高齢者は子どもたちの成長に役立っているという有用感を持つなど、両世代の心の成長に大きな成果をもたらしている。 br> |
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参考文献 ・1996年(平成8年)7月19日の中央教育審議会第一次答申「21世紀を展望した我が国の教育の在り方について」文部科学省ホームページ ・1998年(平成10年)6月30日の中央教育審議会答申「新しい時代を拓く心を育てるために」文部科学省ホームページ |
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