生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:2006(平成18)年8月8日
 
 

小集団の学習法 (しょうしゅうだんのがくしゅうほう)

learning methods by small groups
キーワード : 対面的交流、助産術、存在知、創造力
坂口順治(さかぐちじゅんじ)
1.小グループ編成の学習法
   
 
 
 
   小グループは5人から7人程度が1組の構成単位である。メンバーの顔が見える対面的な構成場面で、相互に影響し合う交流があり、一人ひとりの変化や成長がわかる時間的経過を共有できるのが学習の条件である。
 学習の方法は講義方式の伝達型、条件反射の反復練習型、そして小グループの学習法がある。グループの対面的交流を媒介にして個人の学習に焦点を当てたものと、グループの力が問題解決へ導く学習方法とがある。
 前者は「他人の振り見て我が振り直せ」や「他人は我が鏡」という諺があるように、対面的交流体験が態度や生き方を改善する学習方法である。グループ活動が触媒になって「バレル研磨」のように切磋琢磨するグループのダイナミックスを活用した方法である。学習の内容や結果よりもプロセスを通して、態度の変容や生き方を会得する特徴がある。人間関係の交流体験が今まで気づかなかったことを覚知して自分の存在知を体得する。いわばソクラテスの助産術の学習である。話合い学習やエンカウンター・グループの原型であり、集団心理療法にも用いられている。また、小グループ編成の種々の学習技法がある。例えば、講義内容の理解を周知徹底するためにバズセッション法を用いる。バズは4人1組になって向かい合って一斉に話合うことでBuzzという蜂の羽音のようにやかましいが、全員参加の短い時間の話し合いで、学習内容を理解するのに役立つ。また、討議法や討論法も有効である。
 後者はグループの力で問題解決へと結びつく学習方法である。危機管理の解決にグループの合一致を得て問題解決の行動をおこす方法である。「3人寄れば文殊の知恵」で、グループの力が和から積に変換する創造力を発揮する。ブレーン・ストーミング法は有効である。
 
 
 
  参考文献
 
 
 
 
   



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