登録/更新年月日:2006(平成18)年11月2日 |
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社会教育施設を構成する要素として、物的側面・人的側面・機能的側面を考えることができる。物的側面というのは、建造物を中心にして、設備・備品や、図書館における書籍・雑誌・CD等の図書館資料といわれるもの、博物館における収蔵品・標本等の博物館資料といわれるものを指し示している。人的側面というのは、社会教育施設における職員のことで、管理運営に当たる職員全体が含まれ、館長をはじめ、庶務的な事項を担当する職員に加えて、社会教育施設の教育・学習支援に直接関わる職員、専門的職員を中心に考えることが妥当である。また、ボランティアも、この人的側面という範疇で考えることもできる。機能的側面というのは、社会教育施設がどのような機能を発揮しているかという側面であるが、具体的には事業の実施という形であらわれてくる。公民館であれば、学級・講座などの実施や学習相談・情報提供などが考えられる。図書館であれば、資料の貸し出しやレファレンスサービス、移動図書館の設置や読み聞かせの会の開催なども例としてあげることができる。博物館であれば、展覧会の開催というようなことにとどまらず、資料の収集・保存そのものや、資料に関する調査研究・展示・教育普及等の諸活動が含まれるということになる。 これらが総合されたものとして社会教育施設をとらえることができる。どれが欠けていても、十全な社会教育施設はいえないのだろう。特に専門的職員や館長が、社会教育・社会教育施設の意味や役割をきちんと理解していることは、重要なことであるといえる。社会教育はどういうものであって、どのような役割を施設が担っていて、どのように活動を展開すればいいのかということが分かる人の存在、つまり、機能的な側面と物的な側面とをどのように調和させて運営していくかということを考えて実行していく職員の存在(人的側面)が、重要だということなのである。社会教育施設の専門的職員としては、公民館の(公民館)主事、図書館の司書・司書補、博物館の学芸員、青少年教育施設等の指導系職員と呼ばれる職員等が考えられる。 これらの施設は、どのような人びとを主たる利用者として想定しているかという点で区分することもできる。青少年教育施設や女性教育施設は、設置当初それぞれ利用者は特定していたといえる。公民館・図書館・博物館等は利用者を特定しているわけではない。 また、利用者の対象地域をどの程度の範囲で考えているかによっても、区分することができるが、設置主体が、市町村か都道府県かということにも関連する。公民館は、日常生活圏域に存在している。生涯学習センターといわれるものは、主として県域を対象とする施設であると考えられる。日常的な生活の中での学習支援と、それらを広域的にバックアップするなどの役割に違いが存在する。図書館や博物館でも、市町村域か県域のどちらを対象としているかによって、その役割は異なっている。 社会教育施設は、その施設と利用者とを媒介するもの、によっても区分することも可能であろう。図書館では本や雑誌等の図書館資料、博物館では、収蔵品等の博物館資料、青少年教育施設は自然環境等、ということもできる。 br> |
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参考文献 |
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