登録/更新年月日:2006(平成18)年8月29日 |
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「市民性」を育成するための教育プログラムは、具体的には次のように展開されている。北米においては「サービス・ラーニング」という名で、おもに大学の学部教育を中心に地域共同体とボランタリズムとを統合する実践が重ねられてきている。これはボランティア活動を大学や高校などの正規の単位として認定し、積極的に「教育」として位置づける方法である。学生時代から地域の一員であることを意識する、多様な背景をもつ人々と交流する、集団における責任を実感するなどが目的とされる。単位認定をともなうため、事前学習と活動を客観的に自己評価するふり返りを重視する事後学習の組み合わせによる教育方法を採用する場合が多い。 他方、イギリスを中心に欧州で導入されているのが「シティズンシップ・エデュケーション」である。これは2002年からイギリスの中学校で必修化されたカリキュラムに代表される方法である。これは、「理想の市民像」などについての小グループによる議論を重ね、討議したりまとめたりしながら倫理綱領を作成したのち、実際に、ボランティア団体やNPOを介して学校の外でのボランティア活動(community work)を体験する一年間のプログラムである。イギリス市民教育助言委員会によると、目的は(1)責任ある社会的行動、(2)地域社会への参加、(3)民主社会の知識・技能の習得・活用の三つである。 日本でも近年、「社会科」を「市民科」に置き換え実践を始める中学校も現れるなど、理論および実践の両方において「市民性」育成のためのプログラムが研究されている。 br> |
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参考文献 ・日本ボランティア学習協会編『英国の「市民教育」』日本ボランティア学習協会、2000年 ・清田夏代『現代イギリスの教育行政改革』勁草書房、2005年 |
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