生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:2008(平成20)年12月10日
 
 

社会教育事業を支える市民スタッフの養成 (しゃかいきょういくじぎょうをささえるしみんすたっふのようせい)

キーワード : 市民スタッフ、人材育成、学習と実践、橋渡し役、市民と行政との協働
中村岩男(なかむらいわお)
1.市民と行政との橋渡し役等を担う人材の養成
   
 
 
 
  【市民スタッフの役割と課題】
 ここでの市民スタッフは、社会教育事業を支える団体や個人をいい、地域社会と行政との橋渡し役等として市民の学習を支援するとともに、地域のネットワークを広げる重要な役割を担う。東京都調布市における本活動を通じ、市民と行政との橋渡し役等を担う人材の確保・養成が1つの重要なポイントであることを再認識し、また、学習から実践の場への展開過程には多くの課題があることをも実感した。
【平成18(2006)年度の実施記録】 
 第1回は「いま「子どもの居場所」を考える」をテーマにシンポジウムを、第2回は「いま「多世代のふれあいの場」を考える」をテーマに講演会を、第3回は「子育ちを応援する市民スタッフになろう」をテーマにシンポジウムを開催した。
 参加者より、子どもの居場所について、いろいろな対応の仕方があることが分かった、「実践は素晴らしい」というのが感想である、いろいろな活動があることを知り、社会教育の必要性、重要性を再認識した、などのアンケートが寄せられた。
【平成19(2007)年度の実施記録】
 「学びと実践をとおして市民と行政をつなぐ市民スタッフになりましょう!」をメインテーマに、「学びから実践」に向かっての事業に取り組み、3回の連続講座を持ち、「防災とくらし」を中心に、地域の課題を話し合い、課題解決に向けての企画案を立て、体験・実践を試みた。
第1回は「話し合いによる課題発見」をワークショップ方式で行い、55件の課題を発見し、第2回の「企画の立案」では、課題を情報、地域、災害発生時・避難場、その他(日頃の対応等)に区分し、市民(地域)と行政との協働による課題解決策について話合い、現状調査、擬似体験、実体験ごとに企画立案を試みた。
 第3回の「関連行政担当部署等参加による模擬体験」を、「要援護者台帳から地域を見る」と「ふれあいの場から地域を見る」の2グループで実施した。
 本活動やアンケート等を通じて、貴重な意見・感想を頂戴した。
1.「学び」から「実践」に展開する過程(プロセス)においては、その間のギャップが大きい(壁が厚い)ことを実感した。
2.現在の仲間と講座を企画・運営する上での達成感を得、また、準備不足のなかでの運営推進力を会得した。
3.さまざまで複雑な実情・事情がある地域(フィールド)との連携では、取り組み方に、相応の工夫が必要である。課題はあるが地域における「実践の積み重ね」がポイントである。
4.課題を発見し、企画を立て、実行することが市民スタッフの役割の1つであり、市民と行政との協働(共同)によることがもっとも大事なことである。
5.学習したことを実践する試みを体験して学習がより深められた。
 
 
 
  参考文献
 
 
 
 
   



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