登録/更新年月日:2013(平成25)年12月29日 |
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【経緯】 近年、親の教育力の低下やモラルの低下が指摘されているなか、広島県教育委員会では、家庭の教育力の向上をめざし、平成18(2006)、19(2007)年度の2年間で、文部科学省の委託事業である「家庭教育支援総合推進事業」を活用し、大学関係者や幼稚園・保育所関係者、公民館職員、子育てサークル関係者等の協力により、「『親の力』をまなびあう学習プログラム」(以下、「親プロ」と略記する)を開発した。 【特徴】 親プロは従来の家庭教育教材とは異なり、講座に参加した保護者同士が話し合い、学び合うという参加・体験型の学習教材である。参加者が気軽に考え、話ができるよう、身近なエピソードをもとに、子供の発達段階に応じた8段階3つずつの合計24のシートで構成されている(平成24(2012)年度末では、アレンジ版4つと新規開発3つを加えた計31シートとなっている)。 「親プロ」を活用した講座は、ファシリテーターと呼ばれる進行役により進められ、概ね「導入(雰囲気づくり)」、「展開(話し合い)」、「まとめ(振り返り)」で展開され、学習を深めていく。また、参加者の人数に応じて、5、6名の少人数のグループに分けるなど、参加者が話しやすいよう工夫しており、参加者同士が話し合い、学び合うため、1)発言の平等、2)人の発言の肯定、3)秘密の保守、の3つの約束を基本とし、話し合いの前には必ずファシリテーターが参加者に説明することになっている。 【展開】 平成20(2008)年度からの3年間は、県の単独事業である「家庭教育応援プロジェクト事業」を立ち上げ、県立生涯学習センターを中心に、職員をファシリテーターとして県内各地へ派遣し、「親プロ」講座の開設に取り組んでいくとともに、市町村職員や地域住民などを対象に養成講座を開催しファシリテーターの養成を行った。 平成23年度からは事業の主体を市町村とし、「親プロ」講座の開設やファシリテーターの養成は市町村で行い、県はシートの改善・開発、ファシリテーターのスキルアップのためのステップアップ研修の実施、市町村で行うファシリテーター養成の支援などを行っている。これまでのファシリテーターや講座参加者の意見等を踏まえ、シートの大幅な改訂を行うとともに、家庭教育を取り巻く社会情勢の変化に対応するため、毎年度、1〜2のシートを新たに開発している(平成23(2011)年度:父親の子育て、携帯電話、平成24(2012)年度:ワーク・ライフ・バランス、平成25(2013)年度:乳幼児に対する読み聞かせ)。 【成果と課題】 平成20(2008)年度からの5年間で、小学校のPTA研修会や幼稚園・保育所の保護者研修会を中心に800件以上の講座が開設され、延べ18,000名以上が参加している。講座に参加した保護者の約7割からは、子育ての不安や悩みが軽くなったと感じたなど肯定的な意見が上がっている。また、500名以上のファシリテーターが養成されており、ファシリテーター同士のネットワークも広がりつつあり、活動の充実・活性化につながっている。 課題としては、「親プロ」講座に参加できない・参加しない保護者がいることであり、できるだけ多くの保護者に参加してもらえるよう、ショッピングセンターなど保護者が集まる様々な場面での講座の開設に努めている。 br> |
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参考文献 ・広島県教育委員会「『親の力』をまなびあう学習プログラム」学習のすすめ方(平成24年6月改訂版) |
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