生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:平成22年12月1日
 
 

高校のボランティア活動支援体制 (こうこうのぼらんてぃあかつどうしえんたいせい)

キーワード : 高校生部活動生徒会振り返り社会教育施設
林幸克(はやしゆきよし)
1.高校生のボランティア活動の現況
  
 
 
 
  1)支援体制を吟味する意義
 総務省「社会生活基本調査報告」でボランティア活動の行動者率をみると、高校生世代に相当する15〜19歳の区分において、平成13年度が24.0%であったのに対して、平成18年度では23.0%と微減している。文部科学省が放課後子ども教室推進事業やボランティア活動広報啓発・普及事業、地域ボランティア活動推進事業等の様々な施策を展開し、環境条件の整備に努めているにもかかわらずこうした状況であることは憂慮すべきである。高校生のボランティア活動に特化して考えてみると、その活動の場は学校教育においてが多い。学習指導要領にボランティア活動の文言があるように、道徳や総合的な学習の時間、特別活動といった教育課程、あるいは部活動などの教育課程外において取り組みやすい状況にある。そうした学校でのボランティア学習を、本当の意味でのボランティア活動にするためには、高校生の身近にいる教師や学校組織としての支援が求められる。また、そのボランティア活動の場が、学校を離れて地域社会で展開されることも容易に想像できることである。しかし、学校と地域社会をつなげるような高校教育におけるボランティア活動実践の全国的な実情を示したものは皆無である。そうした実態が明らかになれば、高校生のボランティア活動を推進するための今後の環境整備や支援体制の在り方・方向性を示すことが可能となる。その意味で、今日における高等学校のボランティア活動実践状況を明示することは意義がある。
2)学校内の相談支援体制
 実践状況を明らかにするために、平成20(2008)年7〜10月にかけて質問紙による定量的調査を行った。全国5322校(全日制5094校、定時制182校、通信制46校)を対象に郵送調査法による悉皆調査の形式を採った。なお、有効回収数(回収率)は1549校(29.1%)であった。
 学校内に生徒のボランティア活動に関する相談にのったり情報提供等をする組織・機関(ボランティアセンター等)があるかを聞いた。「ある」場合には、その名称と役割・活動概要も合わせて問うた結果、「ある」27.4%、「ない」72.6%で、7割以上の学校に相談組織・機関等がないことがわかった。具体的な組織・機関は、部活動関係25.8%と生徒会関係22.0%が比較的多かった。前者では、JRC部やボランティア部、インターアクトクラブといったボランティア活動関連の部、後者では、生徒会執行部やボランティア委員会がその中心であった。また、その主な役割としては、「情報提供」「ボランティア活動の企画・実施」「外部機関との連絡・調整」「とりまとめ」が比較的多かった。
 学校内に生徒のボランティア活動相談にのったり情報提供等をする人(ボランティア・コーディネーター等)がいるか聞いた。「いる」場合には、その名称と役割・活動概要も合わせて問うた結果、「いる」21.9%、「いない」78.1%で、約8割の学校には担当者が「いない」ことがわかった。具体的には、部活動の顧問41.4%や生徒会担当18.9%が比較的多かった。前者では、ボランティア部顧問やJRC部顧問、インターアクトクラブ顧問、後者では、生徒会顧問、生徒会ボランティア担当がその中心であった。その主な役割としては、「情報提供」「外部機関との連絡・調整」「とりまとめ」が比較的多かった。
 
 
 
  参考文献
・林幸克「高等学校におけるボランティア活動の実践状況−支援体制の在り方に着目した検討−」日本生涯教育学会論集、31、2010
・林幸克「高等学校におけるボランティア活動調査報告書」(速報版)、2009
 
 
 
 
  



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