生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:平成20年12月31日
 
 

ボランティア・コーディネーター (ぼらんてぃあ・こーでぃねーたー)

volunteer coordinator
キーワード : ボランティアコーディネーター
松橋義樹(まつはしよしき)
1.ボランティア・コーディネーター
   
 
 
 
   どの分野のボランティア活動においても、ボランティア・コーディネーターの存在の重要性が関係者の間で強く認識されているといってよいであろう。ボランティア・コーディネーターは、ボランティア活動における「調整者」として、ボランティア活動を希望する人とボランティアを必要とする人とを結びつけ、ボランティア活動が全体として効率的かつ効果的に進められるよう支援を行う役割を担っている。
 生涯学習・社会教育の領域においても、ボランティア活動への注目が増してくる過程でボランティア・コーディネーターの存在の重要性が指摘されるようになった。日本におけるボランティア活動の一つの分岐点となった阪神・淡路大震災から間もない平成8(1996)年に出された中央教育審議会答申「21世紀を展望した我が国の教育の在り方について」(第一次答申)では「ボランティア活動全般が広く展開される環境を作るため、ボランティア活動を求める側のニーズとボランティアの活動意欲を効果的に結びつけることができるよう、情報提供やコーディネーターの養成などボランティア活動に取り組みやすく、かつ、続けていきやすい条件整備を図っていくことが急がれる」と提言されている。また、平成11(1999)年の生涯学習審議会答申「学習の成果を幅広く生かす─生涯学習の成果を生かすための方策について─」の中で、学習成果を生かす方向性の柱として、「個人のキャリア開発」「地域社会の発展」とともに「ボランティア活動」が挙げられたことにより、学習成果とボランティア活動と結びつける支援者としてのボランティア・コーディネーターの役割が重要視されるようになってきたと考えられる。
 ボランティア・コーディネーターの具体的な役割については、例えば平成8(1996)〜9(1997)年度に国立教育会館研修所が文部省委嘱「ボランティア・コーディネーター養成・研修プログラム開発事業」として実施した調査研究の報告書の中で「受け止める(ニーズ、活動希望者の受付など)」「求める(ボランティアの募集、活動の場の調整)」「結ぶ(調整・紹介)」「高める(訓練・学びの場づくり)」「作る(ネットワーキング、アクション)」「まとめる(記録・統計)」「知らせる(広報)」「集める(情報収集)」の8点に整理されているように、多様な役割をそれぞれの状況に応じて担っていくものと理解することが妥当であろう。もちろん、それだけ多様な役割を1人ないし少数のコーディネーターがまんべんなく遂行することが現実的に可能かどうか、さらには、ボランティア・コーディネーターに「依存」したボランティア活動の問題点にも目を向けることが重要であろう。
 平成20(2008)年度から文部科学省補助事業として実施されている「学校支援地域本部事業」においても「学校支援ボランティアに実際に活動を行ってもらうなど、学校とボランティア、あるいはボランティア間の連絡調整などを行い、学校支援地域本部の実質的な運営を担うもので、学校支援地域本部の中核的役割を担い、その成果を左右する重要な存在」として「地域コーディネーター」が位置づけられるなど、ボランティア・コーディネーターへの期待は大きい。そのような動向の中で、生涯学習・社会教育の本質、及びボランティア活動の本質にも目を向けつつ、ボランティア・コーディネーターの在り方について検討を進めていく必要があると思われる。
 
 
 
  参考文献
・国立教育会館社会教育研修所編『ボランティア・コーディネーターの養成・研修の在り方とプログラム試案』(平成8年度文部省委嘱ボランティア・コーディネーター養成・研修プログラム開発事業)1997年
・国立教育会館社会教育研修所編『ボランティア・コーディネーター養成のためのプログラム開発の視点』(平成9年度文部省委嘱ボランティア・コーディネーター養成・研修プログラム開発事業)1998年
・国立教育政策研究所社会教育実践研究センター編『平成18年度体験活動ボランティア活動支援センターコーディネート事例集』2007年
 
 
 
 
   



『生涯学習研究e事典』の使用にあたっては、必ず使用許諾条件をご参照ください。
<トップページへ戻る
 
       
Copyright(c)2005,日本生涯教育学会.Allrights reserved.