生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:平成18年1月27日
 
 

経営診断法 (けいえいしんだんほう)

method of management diagnosis
キーワード : 経営診断経営診断技法診断公民館経営診断診断カテゴリー
原義彦(はらよしひこ)
1.経営診断
  
 
 
 
  【定義】
 経営診断とは、組織等の経営の現状を把握し、その問題点と欠陥を明確にするとともに、適切な改善方法や整備の方法を提示する行為である。
【説明】
 生涯学習の分野では、これまでは主に生涯学習関連施設の経営診断の研究が行われてきた。経営診断の機能は、診断対象の組織の経営全体や個々の活動についての問題点等を明らかにし、その解決の方向と方策を提示することであるので、生涯学習関連施設の経営診断は施設の改善と整備・充実のためには不可欠なものということができる。
 生涯学習関連施設の経営診断を行うためには、経営診断のプロセスを明らかにし、かつ、そのプロセスに沿った経営診断の一連の手続きである経営診断技法を開発することが必要となる。
 経営診断がどのようなプロセスで行われるかを明らかにするにあたっては、他の分野における診断がどのようなプロセスで行われているかを検討することが有効であると思われる。一般に、診断という用語は、健康診断、学力診断、景気診断、公害診断等のように広く用いられており、また実際に様々な診断が行われているが、それは必ずしも共通認識のもとで使われているとはいえない。
 そのような中で最も診断の研究と実践の蓄積が進んでいるのは医学である。医学における診断とは、古川俊之がいうように、医師が患者に接したときに医師がこれまでに得ている知識と照らし合わせて、何らかの決定を行うことと考えることができる。医師は自らが持つ医学の知識体系と患者の病状とを照合させて、それが合致した場合に病名を与える。簡潔にいうと、診断とは患者の病名を決定することである。
 これを、より一般化していうと、診断とは、診断対象が特定の状況にあるかどうかを明らかにすることといえる。ここでいう特定の状況には、問題状況、平均的な状況、理想的な状況等が考えられる。なお、経営診断は、定義のように、問題状況にあるかどうかを明らかにすることに加えて、問題点の改善方法等の提示も含めて考えるのが一般的である。
 医学診断でいう病名は、専門的には診断カテゴリーといわれる。診断を行う際には、医学では主に病名に相当する診断カテゴリーが不可欠であるのと同様に、生涯学習関連施設の経営診断でも問題状況や理想的状況を具体的に示す診断カテゴリーが必要となる。
 さらに、このような診断がどのようなプロセスで行われるかを検討してみると、
1)診断対象から情報を引き出す情報抽出
2)それらの情報を総合的に用いて診断対象と標本とを照合する標本照合
3)その後に得られた情報から行う標本照合の妥当性の検討
の3段階がある。標本照合の標本とは、医学診断でいえば病気の典型的な型のことで、これはそれに対応させた診断カテゴリーとして示される。
 診断のプロセスが3つの段階に分けられるということは、経営診断における問題状況の診断においてもそのような3段階のプロセスを設定することができるだろう。さらに、経営診断技法はそのプロセスに対応させて情報抽出の技法、標本照合の技法、標本照合の妥当性検討の技法が必要となるが、診断の最も核心となるのは標本照合であるので、生涯学習関連施設の経営診断では標本照合を行える技法の開発が重要になると考えられる。さらに、特定した問題に関しての改善方法や整備の方法を提示するための技法も必要となる。
 
 
 
  参考文献
・三上富三郎『現代経営診断論』同友館、1989年
・古川俊之『コンピュータ診断』共立出版、1982年
 
 
 
 
  



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