生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:平成19年3月5日
 
 

男女共同参画施設と評価 (だんじょきょうどうさんかくしせつとひょうか)

キーワード : 男女共同参画推進施設行政評価成果指標
大野清恵(おおのきよえ)
1.男女共同参画推進施設と評価
   
 
 
 
   男女共同参画推進施設とは、「男女共同参画社会基本法」の基本理念を実現する上での施設であり、公設の推進施設は、基本法制定後「男女共同参画推進センター」という名称を用いる場合が多い。このような公共施設では、政策等の目的・手段の点検、投入した資源の必要性・有効性・妥当性の検証、行政運営の効率化などを求めて、行政評価が行われるようになってきている。
 「男女共同参画推進施設」の行政評価の実態を調べるために平成17(2005)年10月に全国の「女性のための施設」を対象に調査を行った。ここではその結果を紹介することにしよう。
 実施状況調査では、「施設の評価」は少なく、「施策の評価」が多く見られた。地方公共団体の職員による自由記入では、「男女共同参画推進施設」の行政評価にかかる大きな問題点として挙げられたものとしては、「数値化しにくい」、「成果指標を設定しにくい、成果がみえない」のように指標に関するものと、またほかに「評価に時間がかかる」、「改善策に具体性がない」、「改善策が負担」など評価結果の改善点に関するものが挙げられていた。
 行政評価を実施している施設では、「成果指標」や「数値目標」に関して、「男女共同参画社会」を成果指標としてどうとらえるか、また数値としてどの様に表せばいいか、数値で表してよいのかといったことが問題点として捉えられている。
 施設や施策の成果指標の設定状況については、調査した施設では事業内容にも大きな差はなく、事業に対する成果指標の設定の仕方にもあまり差がない。指標はとしては、啓発事業に関する参加者として「講座参加者数」「利用者数」「来場者数」のように「人数」を指標とするところが多い。例えば、青森県男女共同参画センターの講師派遣事業では、「講座開催数」「講座参加者数」「講座開催地数」のように一つの事業に複数の項目が設定されていた。その他には「女性の割合」や「相談事業件数」のように施設独自の事業に関わる指標も見られた。しかし、行政評価の問題点に挙げられたように「男女共同参画」に関する意識や認知度に関する指標の設定は少ない。また、和歌山県は内閣府男女共同参画局発行の資料(内閣府男女共同参画局「地方公共団体における男女共同参画社会の形成又は女性に関する施策の推進状況」)を基に相対評価を行っている。
 平成15年9月の「地方自治法」の一部を改正する法律の施行によって「指定管理者制度」が導入されるようになり、施設、事業のより適正で効率的な管理・運営が求められるようになってきている。さらにまた行政改革が進む中で、施設の存在意義や政策・施策の妥当性や、投入資金の有効性、効果的な管理運営などの検討のためにも、評価制度を導入する必要性は高まってくることが考えられる。
 
 
 
  参考文献
・大野清恵「男女共同参画施設における管理運営方法について-行政評価指標による分析と課題-」『平成17年度文学研究科修士論文』東京家政大学大学院2006年
・大野清恵「『男女共同参画施設』における行政評価シートの分析と提案」日本生涯教育学会年報第27号 平成18年10月
・内閣府男女共同参画局「地方公共団体における男女共同参画社会の形成又は女性に関する施策の推進状況(平成16年度)」平成16年8月 
・総務省「地方公共団体における行政評価の取組状況」平成16年12月
 
 
 
 
   



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