生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:平成18年1月27日
 
 

生活習慣病予防教育 (せいかつしゅうかんびょうよぼうきょういく)

health education for preventing life-style related deseases
キーワード : メタボリックシンドローム成人病健康日本21一次予防生活行動習慣の変容
塩谷久子(しおたにひさこ)
1.生活習慣病の定義、説明、動向
  
 
 
 
  【定義】
 公衆衛生審議会の意見具申「生活に着目した疾病対策」(平成8(1996)年12月)による「生活習慣病(life-style related diseases)」の定義は「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が、その発症・進行に関与する疾患群」であり、糖尿病、心筋梗塞、脳卒中、ガン、等を含む。この定義は、生涯を通じた生活習慣の改善により、健康増進・発病予防を目指す対策を推進するために導入された新しい概念である。
 従来の成人病との関連については、「成人病」は加齢に着目した疾患群であり、生活習慣に着目した「生活習慣病」とは概念的に異なるが、それぞれの疾患概念に含まれる疾患は重複するものが多い。
 生活習慣病の範囲は以下の4つが例示されている(公衆衛生審議会の意見具申:平成8年)
1.食習慣と関連するもの:インスリン非依存性糖尿病、肥満、高脂血症、高尿酸血症、循環器病、大腸がん、歯周病、等
2.運動習慣と関連するもの:インスリン非依存性糖尿病、肥満、高脂血症、高血圧症、等
3.喫煙に関連するもの:肺扁平上皮がん、循環器病、慢性気管支炎、肺気腫、歯周病、等
4.飲酒に関連するもの:アルコール性肝炎、等
 また、生活習慣病の予防には「メタボリックシンドローム(代謝症候群)」の概念が導入されている。内臓脂肪型肥満に加えて、血中脂質、血圧、血糖、血清尿酸などの検査値が重複して高い状態を言う。一つひとつの検査値がそれほど深刻でなくとも、複数の数値が高いと、動脈硬化を促進し、脳梗塞や心筋梗塞等のような生死に直結する疾患を引き起こす危険性が高い。したがって、生活習慣の改善によってこれらのリスクを押さえることが、疾病の予防となる。
【説明・動向】
 高齢者人口の増加は、疾病構造の変化を生じ、医療、保健、福祉の面で抜本的な対策が迫られている。なかでも加齢関連疾患の増加は急激であり、糖尿病の有病率、がん、循環器疾患の増加が大きな問題となっている。このような、いわゆる成人病による死因は全死因の6割を占めている。これらの成人後期の疾患の発症は、生活習慣に深く関連しており、厚生労働省は中高年に多発するこうした慢性病を「生活習慣病」として一括し、重要課題と位置づけ、総合的な対策に取り組んでいる。
 平成12(2000)年、厚生労働省(当時の厚生省)は、「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」において、9つの分野に焦点を当て、10年間の数値目標を設定し、それを達成すべく国民的な運動を推進している。9つの分野は、生活習慣にかかわる5要素(栄養、運動、休養、タバコ、アルコール)と具体的な4つの生活習慣病(歯周病、糖尿病、循環器病、がん)である。
 次に、平成15(2003)年5月にはそれを積極的に推進するために、健康増進法を制定した。
 平成17(2005)年には、「健康フロンティア戦略」に基づいて、生活習慣病予防の充実強化や基盤整備の施策を推進している。
さらに平成18(2006)年の医療制度改革では、生活習慣病の総合的な予防対策に取り組む。
 
 
 
  参考文献
・日野原重明『生活習慣病にならない方法』女子栄養大学出版部、2000年
・細谷憲政監修『生活習慣病の一時予防』第一出版、1999年
・大野良之、柳川洋編集『改定4版 生活習慣病予防マニュアル』南山堂、2005年
 
 
 
 
  



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