生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:平成24年11月13日
 
 

嚶鳴フォーラムからみる自治体と生涯学習関連フォーラム (おうめいふぉーらむからみるじちたいとしょうがいがくしゅうかんれんふぉーらむ)

キーワード : 地域づくり地域のアイデンティティ地域資源新しい公共コミュニティへの寄与
横山幸司(よこやまこうじ)
1.嚶鳴フォーラムからみる自治体と生涯学習関連フォーラム
   
 
 
 
   1980年代から90年代にかけては、全国の地方自治体において、社会教育施設の建設や生涯学習関連フォーラム等(以下「フォーラム等」という。)の事業が多く実施された。 しかし、2000年代に入り、地方財政は逼迫し、ハードはもとより、フォーラム等ソフト事業にも費用対効果の面から厳しい批判の目が向けられるようになり、多くの自治体でフォーラム等は縮小傾向にある。 一方で、近年、新たな視点から、フォーラム等を実施し、新たな地域づくりにつなげようという自治体も出現してきている。そこで、本稿では、嚶鳴フォーラムの事例を取り上げ、現代の生涯学習関連フォーラムの意義と今後の展望について若干の考察を述べたい。
 嚶鳴(おうめい)フォーラムは、ふるさとの先人を通して、まちづくり、人づくり、心そだてを目指す、全国13自治体からなるフォーラムである。
 平成19(2007)年、細井平洲をふるさとの先人として顕彰する愛知県東海市の呼びかけにより、全国13自治体の首長が東京に集まって「第1回嚶鳴フォーラム」を開催。平成20(2008)年6月、参加自治体によって「嚶鳴協議会」を設立し、9月には滋賀県高島市で「嚶鳴フォーラムin高島」が開催された。以後、岐阜県恵那市、大分県竹田市、愛知県東海市、山形県米沢市と続けて開催してきている。
 この年1回の本フォーラムのほか、東海市において、参加自治体の関係者が講師を務め、各々の先人について学ぶ「ふるさと先人勉強会」や地域型フォーラムの試みとして「北海道地域創造フォーラム」も開催している。また、フォーラムの助言者として、作家の童門冬二氏が全面的に協力しているほか、フォーラムのWebサイトの運営等において民間シンクタンクである(株)PHP研究所地域経営センターが携わっている。
 本フォーラムとしては、平成24(2012)年度現在までに6回開催されているが、そのテーマは次のとおりである。第1回「元気な地域づくり、日本づくりのために」、第2回「未来を担う子どもたちのために、ふるさとの先人を活かそう」、第3回「生涯学習とは。地域・学校・家庭での取り組みとは。〜未来を担う子どもたちのために〜」、第4回「ふるさとの先人を、まちづくり、人づくり、心そだてに活かす〜地域力を高めるために〜」、第5回「いのちを守る生き方・考え方を学ぶ〜釜石からのメッセージ〜」。第6回「なせばなる!これからを生き抜く鷹山のこころ」
 当事例から導かれる現代の生涯学習関連フォーラムの意義としては三点考えられる。
第一に、市町村合併後や首長交代後の新しい地域のアイデンティティの確立と発信という点である。
第二に、今まで観光資源の対象とされていなかった先人たちなど新たな地域資源の発掘と発信という点である。
第三に、地方分権や行財政改革を背景とした新しい公共の発展や市民自治の促進が目的とされる点である。
 最後に生涯学習関連フォーラム等の今後の意義、展望について考察すると三点考えられる。
第一に、限られた予算を獲得するためには、フォーラムの成果の検証、効果の説明等が重要になってくる点である。
第二に、これからの生涯学習関連フォーラム等は、行政主導ではなく、より市民協働型にシフトしていくであろうという点である。
第三に、生涯学習が地域・コミュニティの質の向上へ寄与することが重要視される点である。
 以上のような観点に留意して、地方自治体は、現代の生涯学習関連フォーラム等を開催していく必要があろう。
 
 
 
  参考文献
・嚶鳴フォーラムホームページhttp://research.php.co.jp/oumei/

 
 
 
 
   



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