生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:平成21年9月15日
 
 

仕事移動診断−社会参加活動支援− (しごといどうしんだん−しゃかいさんかかつどうしえん−)

キーワード : 仕事移動診断生涯学習支援社会参加
田井優子(たいゆうこ)
1.仕事移動診断と社会参加活動支援
  
 
 
 
  【字義】
 仕事移動診断の目的は、仕事移動(職業間移動や地域社会活動間の移動など)を希望する人が自己の現状をはっきり認識し、その上に立って仕事移動のための考え方と行動の仕方を作り上げたり、変えたりしていくことを支援するところにある。この仕事移動診断は生涯学習支援の観点に立って組み立てられているが、地域社会活動間の移動の場合には、社会参加活動の支援という側面もある。本項は、仕事移動診断とその社会参加活動支援の関係について説明するもの。
【説明】
●社会参加の捉え方
 社会参加をどう捉えるかは人によってさまざまである。そのため、社会参加という言葉には多様な定義があり、またいろいろな使われ方をするが、最広義には、学校、家庭以外の社会で行われる活動に参加することで、これに「活動」を付けて用いる場合には、次のような意味で用いられることが多い。
1)社会(人々の集まり全体、団体・グループ、他者)とのかかわりの中で自発的に行われる活動(ボランティア活動、交際・つきあい、娯楽など)
2)社会の一員としての義務的活動(選挙での投票、法廷での証言など)
社会参加活動というときには、そのなかに就労(職業活動)は含めないとするのが一般的である。
●仕事移動診断
 仕事移動診断には、転職、再就職したい人を対象とする「転職診断」と地域社会活動を始めたい人や別の活動をしたい人を対象とする「地域社会活動移動診断」の二つがある。ここで使われている「地域社会活動」という言葉については、文字通り解釈すれば、(ア)地域社会での活動、(イ)地域社会のための活動、という二つの意味があるが、ここで地域社会活動といっているのは、ボランティア活動やまちづくりなどの地域を中心とする活動など、地域社会の維持・向上を目的として自らの知識、労力などを提供する活動の総称である。地域社会の捉え方にはさまざまあるが、ここでは人びとが生活を営むあらゆる場所または地域的基盤をもつあらゆる集団のこととする。
 仕事移動診断にあっては、仕事移動希望者が仕事移動に関わる自己の現状を明確に捉えられているかを調べ、仕事移動の適・不適、可能性、問題点等を明らかにする。仕事移動希望者が仕事移動に関わる自分の現状を明確に捉えられていない場合、―例えば自分の希望をあいまいにしか把握していなかったり、新しく始めたい仕事のイメージが実際の仕事と異なることを認識していなかったりする場合には移動のミスマッチが生じる可能性があり、仕事を始めた後にドロップアウトなどの問題を増加させる一因にもなりかねないからである。
 仕事移動診断では山本恒夫により体系化された事象理論を援用し、仕事移動希望者の現状を把握する。
●仕事移動診断と社会参加活動支援の関係
 仕事移動診断の対象者は、転職、再就職したい人や地域社会活動を始めたい人や別の活動をしたい人である。地域社会活動は社会参加活動に含まれているので、地域社会活動間の移動の診断は社会参加活動支援の一部であるといえる。
 
 
 
  参考文献
山本恒夫『事象と関係の理論』筑波大学生涯学習学研究室、平成13(2001)年
山本恒夫「生涯学習支援としての仕事移動診断の構想―事象理論からのアプローチ―」八洲学園大学紀要、創刊号、平成17(2005)年
 
 
 
 
  



『生涯学習研究e事典』の使用にあたっては、必ず使用許諾条件をご参照ください。
<トップページへ戻る
 
       
Copyright(c)2005,日本生涯教育学会.Allrights reserved.