生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:平成18年10月29日
 
 

飯塚市穂波地区の生涯学習支援 (いいづかしほなみちくのしょうがいがくしゅうしえん)

キーワード : 学社連携事業教育と保育の連携学校の「安全宣言」
森本精造(もりもとしょうぞう)
1.放課後、土曜日の子育て支援
  
 
 
 
  【学校5日制対応事業】
 平成14(2002)年度から学校完全週5日制が始まった。同時に学校教育では教科の内容を3割削減して総合的な学習の時間が導入された。
 当時は前後して学力低下への懸念が新聞テレビで報道された。
 そのような中、旧穂波町(合併後、現「飯塚市」)では、平成14(2002)年9月から学校週5日制対応事業として、休日になった土曜日に「いきいきサタデースクール」(以下「いきサタ」と呼ぶ)を立ち上げた。14年度の事業概要は次のとおりである。旧穂波町の小学校は5校である。
【事業の概要】
(1)対象:小学校3年生以上
(2)受講料:1回100円
(3)会場:各小学校の教室・特別教室・体育館・運動場等
(4)内容:学習や体験活動のプログラムを受講者が選択
(5)指導者:大学生・保護者・地域の高齢者等
(6)期日:10回を1講座とし、14年度は2講座(20回)
【事業の経過】
 ・学校を活用する・受講料を取る・地域に指導者を求める等々、学校週5日制対応事業として、全くの試行錯誤で始めた事業であるが、実際は核家族化や共働き家庭の増加等による、社会の変化に対応した有効な子育て支援事業として認知されたといえる。17(2005)年度までに100回の10講座を実施したが、受講者は85%以上の出席率、対象小学生の約3割が受講した。
 特に16(2004)年度の3学期からは、改めて子育て支援事業としての位置づけを明確に打ち出し、平日の放課後週1回「いきサタ」の平日版として「子どもマナビ塾」を立ち上げた。この事業も好評であり「いきサタ」とは違う児童の参加もあった。
 本事業を進めながら、改めて地域の教育力や家庭の教育力の低下に対する補完事業、核家族や共働き家庭の子育て支援事業の必要性を感じ、17(2005)年度からは、町内5校の全校で毎日の放課後及び土曜日開催へと拡充を考え、「いきサタ」も改めて「子どもマナビ塾」に吸収させ、夏休み、冬休みも実施した。
【事業の成果】
 18(2006)年度は、完全に「子どもマナビ塾」に一本化した子育て支援事業として進めた。学校開放については、当初から学校を活用することを前提に進めてきたが、学校管理職の理解のもと事業が進められたことは大きい。学校の支援は不可欠である。
 事業の推進にあたっては、当初から専任嘱託職員をおき、17(2005)年度からは事務局を公民館に置き、公民館の子育て支援事業として位置づけ、対象児童も小学校1年生まで広げ進めてきた。
 予算は、国の「地域子ども教室」事業を活用したので市の財政負担はほとんどゼロである。
【事業の課題】
 町内全5小学校での事業展開には、事業推進体制の確立やそれに見合う指導者の確保、財政の安定が不可欠である。
 年間約290日、延べ、10,000人を超える指導者の確保は最大の課題になっている。
 また、児童福祉事業の「児童クラブ(学童保育)」も平行して開催されており、競合でなく保育と教育が融合した事業の推進こそが今日的課題である少子化対策として、今後の重要な課題になってきた。
【熟年者マナビ塾】
 「子どもマナビ塾」の指導者確保をねらい始めた「熟年者マナビ塾」は、平日の午前中、各小学校の授業中の隣の教室で学習や活動を進めているが、受講する高齢者が身近に存在することで、学校側から声がかけやすくなり、最近は学校支援ボランティアとして定着しつつある。本事業の拡充は高齢社会対応事業として付加価値が高い。
 
 
 
  参考文献
 
 
 
 
  



『生涯学習研究e事典』の使用にあたっては、必ず使用許諾条件をご参照ください。
<トップページへ戻る
 
       
Copyright(c)2005,日本生涯教育学会.Allrights reserved.